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《ネタバレ》 なかなかに豪華で渋い顔ぶれだが冒頭からインパクトのある演技を見せるウディ・ハレルソンに目が行く。他のキャストも良い演技をしているがウディ・ハレルソンの凶暴で凄みのある演技がある意味この作品を支えているように思える。
クリスチャン・ベイルが演じるラッセルは真面目な男だ。真面目すぎると言ってもいいくらいの男。ある事故を境に転落が始まっても彼は喚いたりしない。服役している間に病身の父が死に、金に困った弟が危ない仕事をしていることを知り、恋人が他の男の子を宿しても彼は感情を爆発させることはない。抑えている。抑えてはいるが彼の心の中は煮えたぎっている。タイトルのファーナスは溶鉱炉のことらしいが彼自身を指しているとも言える。いつ外に漏れ出してもおかしくないものを彼は抱えている。ウディ・ハレルソン演じるデグロートがなぜ弟とペティを殺したのかはわからない。が、「この男ならやりかねない」と思ってしまうのは冒頭のシーンがあるからだろう。この男のアクションによって主人公はやっと抱えていたものを復讐という形に変えることができるのだ。 地味でとても暗い話だ。復讐は遂げられるがカタルシスはあまり感じないし、この後の主人公のことを考えると救われた気もしない。撃たれてうつ伏すデグロートに近づくラッセル。観ている間「うつ伏している腕に銃を隠し持っているのでは…」とハラハラしてしまったのはそれほど凶暴な男だったからだが、彼の口から弟を「タフな男だった」という言葉が出たのは印象的だった。 【⑨】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-01-28 02:29:46)
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