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《ネタバレ》 今作は劇場で観たが公開当時自分はそこまでトム・クルーズが好きではなかった。「レインマン」「ア・フュー・グッドメン」等好きな出演作品はあったが自分にとっては二枚目俳優というイメージだけが強かったためだろう。スタローン、シュワルツェネッガー等のアクション俳優を見て育ってきたからかも知れない。しかし、この作品でそれは一変した。短髪でスッキリした髪型なのも好印象だったが、何よりここまでアクションができる俳優だとは思っていなかったからだ。水槽を壊して逃走するシーンやCIA本部での潜入で宙づりになるシーン、ラストのTGVでのアクションとトム・クルーズの運動能力の凄さを堪能できる作品に仕上がっている。
しかし、この作品はなかなかに変わった作品と言える。シリーズ化を目論んでいたかは知らないが1作目からいきなりチームが壊滅してしまうというショッキングな内容である。しかもその作戦もIMF内の裏切り者を炙り出す作戦であることがわかる。潜入先もCIA本部、新しく組むチームも元IMFのメンバー、なんだか敵も味方もIMFの面々だけでわちゃわちゃしてるだけに見えてくる。そして黒幕はテレビシリーズの唯一のメンバーのフェルプスということでテレビシリーズのファンは激怒した人もいたと聞く。もちろん冷戦が終わったことによる影響は作品の中でも言及されているが、かなり変化球な内容で初見ではおおよその流れは理解できても少しわかりづらいという感覚になってしまった。 チームを壊滅させることで良くも悪くもトム・クルーズが目立つ内容になっている。これは今後のシリーズの傾向を1作目から決定付けているとも言える。あくまでトム・クルーズ主演作なのだ。 監督のブライアン・デ・パルマにとってはかなりの大作だがサスペンスの名手らしくそつなくこなしている感じ。サスペンスとアクションがバランス良く用意されていて飽きない作りになっていると思う。 キャストに関しては国際的なスターを集めているがジャン・レノの使い方はあまり上手くないと思った。それにしても今作最大の謎はジャン・レノがあの態勢でどうやってネズミを殺したかだ。気になって仕方がない。 この後シリーズ化されて完全に現代のスパイ戦になっていった中で今作はクラシカルな雰囲気が残っている。その中に現代的なアクションが組み込まれていてラストのヘリ爆破からの生還はやりすぎな気もするが妙に勢いと爽快感があって良い。不満点がないわけではないがトム・クルーズの新たな一面を見た当時の驚きをプラスとする。 【⑨】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-11-24 00:10:22)
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