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《ネタバレ》 なんて事のない淡々とした展開の連続ながら終始不穏なムードで最後まで見届けられたのは、
イ・チャンドンの地に足をつけた演出のお陰と言っても良い。 ただ、「これで終わり?」感は否めない。 ビニールハウスを焼くシーンはイメージ上だけで、"底辺"として、"存在意義"としてのメタファーなのは分かる。 都会的で洗練され、どこか人間らしさがないベンの不気味さも、野暮ったいジョンスの風貌と対比してより際立たせる。 姿を現さなかったヘミの飼い猫に、幼少時代にヘミが落ちた井戸の存在、あれらはどこまでが本当か嘘か揺さぶりをかける。 格差が著しく目立つも、嘘でも共感を寄せ、見栄を張らないと生きていけない韓国社会の息苦しさは女性なら尚更だ。 でも、そこで終わりなんだよね。 ヘミが死んだのは確かかもしれない。 ただ、匂わせだけで殺されたのかも分からず、ベンを疑い、刺してしまった。 真に燃えたのはビニールハウスではなく、彼が乗っていたポルシェだった。 ジョンスの社会に対する強い情念だけが残る。 あやふやすぎる"こんな世界"で生きていく意味とは? ただ耐え忍ぶか、逃げるか、創作に昇華するか、反社会的行為に転じるか。 大人になったら肯定してくれる人なんて少ない以上、自らご機嫌取りしていくしかない。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 6点(2025-03-20 23:15:40)《新規》
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