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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
製作国
上映時間206分
劇場公開日 2023-10-20
ジャンルドラマ,ウエスタン,犯罪もの,歴史もの,実話もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 予想以上に淡々と描かれていく先住民オセージ族への静かな虐殺。
そこには西部劇における憧憬が完全に失われ、強欲と搾取がただの日常になった。

当初、ディカプリオが捜査官役だったそうだが、ヒーロー物語になることを恐れ、本人の希望で断ったという。
そのため、デ・ニーロ演じる有力者の叔父とオセージ族の妻との板挟みで苦悩する、
"平凡な男"という美味しい役どころではあるが、流されるがまま犯罪に加担してしまう時点で感情移入もない。
妻を愛しているのは事実だとしても、家族のために真っ向から抵抗しようとした時には既に手遅れで全てを失ってしまう、
そんな愚かな男の顛末を生々しく炙り出していた。

『羊たちの沈黙』でおなじみのFBIの原型はこうして生まれたのか。
エドガー・フーヴァーの名が台詞で登場したので、彼の伝記映画はいつか見てみたい。

前作の『アイリッシュマン』に並ぶ、3時間半に及ぶ大長編だが、スコセッシのテクノカルな演出と編集は冴えていて、
静かながら最後まで見届けるパワーは相変わらず。
トレンドの若者受け推しキャラアニメ映画、漫画実写化の対極に位置する"骨太な古典"が時代の流れと共に失われていく、
かつての黒歴史が風化されていく、その現実に対して必死に抵抗する巨匠の矜持が伝わってくる。
Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-21 12:51:09)
その他情報
作品のレビュー数 12件
作品の平均点 7.08点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.32
このレビューの偏差値 49.52
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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