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《ネタバレ》 見始めて1時間ぐらいして自分が殆ど笑っていない事に気付かされ、ラストまでそのような状態が続いてしまった事は残念でした。
大きなどんでん返しや、エピソードや登場人物の多さに比べてそれらのお互いの絡みもそれ程無かったのでストーリーではなくて状況や各人の関係性で笑わせるのかと思いきや、そうでも有りませんでした。 生瀬さんや西田さん、伊東さん等コメディに強い俳優さんが出てくるシーンでもそれぞれの設定の制約に彼等の個の力が抑え込まれてしまっていた印象を受けました。 また、本作で決定的に欠如していたのが緊張感だと思います。 全体として登場人物の心境には余り入り込まずにあくまで状況を描いている客観的な演出なので、筆耕係の右近がカウントダウンパーティー迄に『謹賀新年』を書き終えるか、ダブダブが見つかるか等のタイムリミットを課せられたものや、ハナがなおみではない事や新堂の元妻に対する嘘がバレるかどうか等の要所々々でそうした緊張感が感じられない為に作品にメリハリが無くなり、コメディタッチで描かれているだけでコメディと言える程面白いものにはならずに盛り上がりの乏しい単なる緩い作品になってしまったと思います。 グランドホテル形式、長回し、只野の三種の神器や灰皿等のプロップの使い方等、三谷監督は映画の仕組みや仕掛けの方法論に拘る事に執着し過ぎて作品自体の押さえどころがずれている様に見えてしまいます。 一方、有名な俳優を多用したり局アナ等のカメオ的な起用による話題性の作り方や、テレビを中心としたマスメディアでの効果的な宣伝は本当に上手だという印象で、そういう意味では内容の良し悪しとは別に、確実に売れる作品を作る方法を知っている監督だと思いました。 【しってるねこのち】さん [地上波(邦画)] 4点(2015-12-13 23:33:21)
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