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《ネタバレ》 ほぼセリフ無しで、たっぷりと時間を掛けた反面、結末は一瞬で決まるというまさにラヴェルのボレロを彷彿とする様なオープニングから痺れました。
ここまでカッコ良いオープニングのシークエンスは余り記憶に有りません。 映像の粒子にも粗さはなく、それぞれのカットのフレーミングも素晴らしいです。 編集もおかしな所もなく、メインとなるガンファイトなどは銃声やアクションを基に切り返すカット割りなど、スピード感や迫力の主要素になっていました。 西部劇には美しすぎると思うようなメインテーマ曲も映像の美しさに相まって良かったです。 セリフも最初の人と馬の算術問答のように全編を通して洗練されていました。 客観的に見ればほぼ完璧ではないでしょうか。 個人的に見ると、主人公がかっこ良すぎです。否、かっこつけ過ぎです。「ザ・ハードボイルド」と、言った感じでしょうか。しかし私には自分が考えている美意識という殻に篭った中二病に見えてしまいました。 コミュ力は著しく低く、人に何か聞かれてもハーモニカで「ピープーピープー」。 敵に捕まり縛られて、シャイアンに助けを乞う時も「銃だけか?ナイフも使えるか?」みたいな…、面倒臭っ!!人に物を頼むんだから「ロープ切って下さい。お願いします。」でしょ? だからハーモニカなんてダサいアダ名つけられちゃうんだよ、…と思ってしまいました。 この人ここに来るまでも、こんな感じだったら周りの人は大変だったろうなぁ…、若い頃に金八先生みたいな人に出会っていれば…、といった余計な事ばかり考えてしまいました。 自分としては、無機質な主人公より、人間臭い寅さんや椿三十郎みたいな人の方にカッコ良さを感じますが、作品全体の雰囲気は良かったです。 【しってるねこのち】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-01 05:15:16)
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