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《ネタバレ》 これは素晴らしい。最近はアメリカ超近代史実の映画化が続いているイーストウッド監督だが、恐らく監督は今、フィクションよりもこういった実際に起こった事実の表裏をより観客に伝えたいという気概が強いのだろう。とかく上映時間が長くなりがちな昨今の映画に於いて、1時間40分程にまとめているのが凄いし、それほどこの映画は言いたい事がはっきりしている。人的要因を排除し、機長らを弾糾しようとするNTSBは丁度同時期(2007〜2008年)にリーマンショックを発生させた米金融界とダブるものがある。金融工学を駆使しサブプライムローンを売りまくった事が発端となったあの事件も、机上の計算だけが先走りした結果引き起こされたものだったと思うが、そういった「頭でっかち」になりがちなアメリカンエリート(頭が良すぎて、一番大切な何かを見落とす)の欠点もついているようだ。さて本作は機長らの仕事を全うしようとする姿も感動的だが、NY waterwayの人々や、普段メジャーリーグの話をしているようなレスキューのお兄さん達が、救助する時に一気にスイッチが入る瞬間など救助に関わった人々の姿も印象的に描かれる。見終わった後に心に優しい灯りがぽっとともるような本作、普段はエンドロールを最後まで観ずに退席される方も、これはエンドロールの最後まで観た方が良いだろう。(最後の最後で泣かされた。)
【rain on me】さん [映画館(字幕)] 9点(2016-09-25 12:43:09)(良:2票)
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