| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 全編を通じてゲームやアニメ等の大衆文化に対して膨大なオマージュが捧げられた作品。そこでオマージュされている対象に対する知識や熱量が高いほど盛りあがれるだろう。人によってその対象は様々だろうが、ゲームやアニメに関して一般的(もしくはそれ以下)の知識量しか有しない自分にとってはThe Shiningへのオマージュが決定的なものであった。まさか2018年の映画館で、かのoverlook hotel内をツアーできるなんて思ってもみなかった。さほど長くないシーンだが、それでもシャイニングの主要シーンが完全に再現されていた;237号室のシャワーから女性が出てくるシーンなどは恐らく同じ素材を使っているのだろうし(そっくりさん?)、印象的なあのカーペットの柄やballroomに入る際のカメラの動きまで完コピで、映画ファンとしては「スピルバーグは、ひょっとしてこれをやりたかったのではないか。」いやそうあってほしいという疑った見方をしてしまった。さすがにこのシーンはテンションが高まった。それと本作は音楽も一つの仕掛けとして活躍していて、オマージュされる対象が出るとそれに関する音楽が流れるところも楽しかった;アランシルベストリのback to the futureは当然としても、ゴジラのテーマやThe shiningの音楽まで色々と細かい仕事をしていた。
しかし、本来こういった要素というのは付加価値的なものであるべきであり、例えば本作でオマージュされた元ネタを全く知らない人間が見たとしたら、この映画はどのように評価されるのだろう。本当に面白い映画というのは、サブテキストや元ネタなど何も知らない人が表面的に見ても面白いものだと思うが、本作がそういう映画だったかというと、はっきり言ってそこまで面白いとは思えなかった。事実、自分は先述したThe Shiningシーン以外は大して面白みを感じられなかった。ここまで情報量の多い映画を大ベテランであるスピルバーグが撮ったことに関しては感嘆する。が、最終的な感想としては、とにかく莫大な情報量を誇る映画なので一度で全てを消化するのは難しいが、かといってもう一度見たいかと問われると、そうでもないといったところだ。 【rain on me】さん [映画館(字幕)] 5点(2018-05-09 20:43:21)(良:1票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |