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《ネタバレ》 監督の優しさが溢れ出た新たな傑作だ。基本的な展開は「ジャンゴ」や「イングロリアスバスターズ」と同じと捉えて良いだろう。歴史の中で悲運の人生を送った方々の想いをタランティーノが遂げる作風である。ただ今作はより個人的なお話なので感情移入もしやすい分、見終わった後は本当に複雑な気分になるだろう。作品全体のリズム感は「ジャッキーブラウン」が一番近いのかもしれない。ストーリーが動き出すのは上映開始後2時間ほど経ってなので、この辺りはヘイトフル・エイトっぽい。となるほど今までの監督フィルモグラフィーの様々な要素を併せたような作品だ。本当に世界観がある映画というのは、いくら上映時間が長かろうがいつまででも観ていられるものだと思うが、本作も途中からもうストーリーなんて展開しないでいいからこの人達の生活をこのままずーっと観ていたいという気持ちになってくるのが不思議だ。それくらい1969年のハリウッドに没頭させてくれる。シャロンにもう一度命を与えたかった、普通の生活をさせてあげたかったという監督の言葉が全てだと思うが、当該監督の作品から優しさをこんなに直接受け取ることができる日が来るとは。ブランディが良く躾されていることや(ブランディは最後に大活躍)、途中途中でブラッドピット演じるクリフがとんでもない身体能力の高さを示すシーン(ベランダに登るところetc..いちいち面白い)など、クライマックスに向けての伏線もバッチリ。賛否両論分かれる作品だと思うが、今までの当該監督作品が好きな方はきっと気にいるだろう。点数は一度鑑賞時点でのものだが、もう一度観たらあと1点くらい上がりそうだ。
【rain on me】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-09-07 10:39:53)
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