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《ネタバレ》 午前10時の映画祭を利用し劇場で鑑賞。勿論、歴史や政治背景抜きで語れない映画だということが前提となるのだろうが、この映画が名画とされているのは、そもそも「娯楽映画」としてきちんと面白いからだろう。マチェクのニヒルなかっこよさ、そして自身のアイデンティティを巡る葛藤は青春映画としても見れるし、シュチューカ暗殺に関するシークエンスはサスペンスフルでアクションもかっこよい。時代や政治背景を良く熟知した上で見ることでさらに理解が深まることは、確かにあるだろうが、仮に何も知らず表面的に観たとしても娯楽映画として充分面白く作られている。途中宴会のシーンで少し退屈に感じるシーンがあることもあるが、かといって不要なシーンかというとそういうこともない。ホテルの電話ボックスから電話するシーンや花束を持った子供が出てくるオープニングの銃撃シーンなど、作画としては「市民ケーン」や黒澤明の「野良犬」からの影響を確かに感じられた。もう60年以上も前の作品なのだが、何も古臭さを感じさせず、今でもスタイリッシュで普遍的な魅力に溢れている作品だと思う。恐らくその時その時の「若者」が見て、強く影響を受けるべき映画なのだろう。シュチューカを抱きかかえながら背後から花火が上がるシーンの美しさというか儚さ、こういう映画的に優れた、かっこよい演出が多いのも本作のポイントだろう。
【rain on me】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-10-18 23:03:00)
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