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《ネタバレ》 「時には一人で二人ゲットする事だってある」という台詞が伏線であった事に吃驚。
主人公が二人の美女と同時に付き合う事になったと見るべきか、あるいはヒロインが男女の恋人を両方ゲットしたと見るべきか、いずれにしても予想外な形のハッピーエンドで楽しかったです。 基本的にはコメディなのですが、努力→成長→勝利というスポーツ物の王道の魅力も押さえている為「ドッジボール大会で優勝する」という約束された結末まで、安心して観賞する事が出来ましたね。 途中「コーチの死」「決勝戦の前日に主人公が戦意を喪失してしまう」などの、やや暗い展開が挟まれたとしても、最後は笑顔で終わるんだろうなと予測出来る形。 「ウルトラアメリカン教育映像」の悪趣味さとか、日本人チームが小馬鹿にされている感じ、ラストの「爆乳ダンス」披露なんかは観ていて鼻白むものがありましたけど、不愉快になるという程じゃなかったです。 それより一番悲しかったのは、ランス・アームストロングが「逆境にぶつかり挫折しかけた主人公に、勇気を与える者」として出演している事ですね。 偶然なのか皮肉なのかは不明だけど、作中で「選手のドーピングが発覚し、敵チームが失格になる」なんて展開まであったものだから、本当にやりきれない。 映画自体に罪は無いんですけど、ここだけは観ていて憂鬱になっちゃいました。 でも、基本的には「観ていて笑顔になる」要素の方が、ずっと大きかったと思いますね。 ヒロインが剛速球を投げられる理由を「ソフトボールやってたの」と一言で片付けちゃう大雑把さなんかは、実に気持ち良いです。 主人公がスポーツジムの経営破綻を受け入れて「一晩中飲み明かそう」と皆にビール缶を投げ配るシーンなんかも、妙にお気に入り。 気弱なオーウェンと、濃過ぎる顔のビッチスキーとのロマンスも良かったし、ジャスティンが片想いのチアリーダーにキスするシーンなんかも好きですね。 作中で結ばれたカップルが三組もいて、ドッジボールの大会を通し、多くの人が幸せになっているという、優しい雰囲気が伝わってきました。 大好きな俳優であるベン・スティラーも、憎たらしい悪役を楽し気に演じてくれていましたね。 彼が敗者となる結末に関しても、あんまり可哀想にはならないというか「こいつなら一度は挫折しても再起出来るんじゃないか」と思わせるようなパワーがあった為、ハッピーエンドにも水を差していない。 海賊ことスティーブも「とうとう宝物を見つけた」という形で、優勝の喜びに華を添えてくれているのですが……彼の扱いに関しては、ちょっと中途半端な印象も受けました。 決勝戦を欠場するなら「スティーブの活躍のお蔭で勝てた」という試合が、途中に一つくらいはあっても良かったかも。 あと、サドンデスで主人公が目隠しする展開に関しては、伏線が弱かった気もします。 特訓シーンでも一応目隠しはしているんだけど、さらっと流されていたし、目隠しする姿を見てチームメイトも「何をやっているんだ?」と言い出すしで、観客の自分としても、少し戸惑っちゃいました。 あそこは「目隠しして踊れるようになる事だ」などの、亡きコーチの台詞をオーバーラップさせてくれていたら、もっと感動出来ていた気がします。 こうして文章にしてみると「良かった部分」と同じくらい「気になった部分」も多くなっちゃう訳ですが、後者を「悪かった部分」と感じさせない愛嬌を備えているのが、この作品の特長なのでしょうね。 定期的に何度も観返したくなるような、親しみが湧いてくる映画でありました。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 7点(2017-07-11 19:51:01)(良:2票)
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