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チェイサー(2017) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 チェイサー(2017)
製作国
上映時間94分
劇場公開日 2017-09-23
ジャンルアクション,サスペンス
レビュー情報
《ネタバレ》  ノンストップな追跡劇が面白い……と言いたいとこなんだけど、ちょっと微妙でしたね。
 奇を衒った作りではなく「誘拐犯を追いかけ、子供を取り戻す主人公」というシンプルなストーリーだし、時間も94分と短めに纏まっているし、主演はハリー・ベリーだしで、褒めたくなる要素は一杯なんだけど、肝心の「映画としての面白さ」が足りてない。

 どうして楽しめなかったんだろうと考えてみたんですが、本作に関しては「骨太でシンプルな作り」という、本来なら長所となるべき部分が、仇となってしまったのかも知れません。
 誘拐犯の正体は驚きのあの人とか、実は深い目的があったとか、そういう訳でもないし、本当に「主人公VS誘拐犯」ってだけの話ですからね。
 序盤に主人公がウェイトレスとして働く場面を、結構な尺を取って描いており、これは伏線なのかな(揉めてた客が再登場して主人公を助けてくれるとか、あるいは誘拐犯の一味とか)と思っていたら、全然関係無かったっていうのも、観ていてズッコけちゃいましたし。
 中盤にて、主人公の車が燃料切れを起こしちゃうのも、何だか象徴的。
 「ネタが無いので、仕方無く燃料切れにして引き延ばしました」としか思えない展開であり、そこで車だけじゃなく、映画自体も息切れしちゃってた気がします。
 尺稼ぎが露骨というか、この映画には、94分でも長過ぎたんじゃないかと。

 とはいえ最初に述べた通り、自分としては「褒めたくなる」「好きなタイプ」の品だったので、以下は良かった点を。
 まず、冒頭で「息子の成長を見守る母」の姿を描き、母子の絆をしっかり感じさせるのは嬉しかったですね。
 こういう映画である以上、そういう描写は必要不可欠だし、やって当たり前だろって話ではあるんですが……
 「当たり前の事を、ちゃんとやってくれてる安心感」が得られるっていうのは、立派な長所だと思います。

 警察が全然活躍しないで、主人公が孤軍奮闘して息子を救うって展開に、しっかり説得力があったのも良い。
 この場合の説得力っていうのは「警察に任せた方が息子が助かる確率は高いのに、自力で何とかしちゃうのは説得力に欠ける」とか、そういう現実的な代物ではなく、作劇として「主人公は警察に任せておけずに、自力で息子を救おうとする」っていう、主人公の心の描き方としての説得力ですね。
 警察署にて、行方不明になったまま帰らない子供達のポスターを見つめ「我が子は決して、こんな風にはさせない」「何もせず待ってるだけなんて、耐えられない」と考える流れには、自然に感情移入出来ましたし。
 正しい道じゃないかも知れないけど、観客として「それで良い」「そうするのが正解」「頑張って欲しい」と思える道を選ぶ主人公っていうのは、やっぱり魅力的です。
ゆきさん [ブルーレイ(吹替)] 5点(2023-08-22 00:43:15)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 6件
作品の平均点 5.17点
作品の点数分布
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3116.67%
4116.67%
5116.67%
6233.33%
7116.67%
800.00%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 1.34
このレビューの偏差値 49.08
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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