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ハムナプトラ/失われた砂漠の都 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ハムナプトラ/失われた砂漠の都
製作国
上映時間124分
劇場公開日 1999-06-26
ジャンルアクション,ホラー,アドベンチャー,ファンタジー,シリーズもの,リメイク
レビュー情報
《ネタバレ》  「ミイラ再生」(1932年)のリメイク……というよりは、それを元ネタにしたオリジナル映画って感じですね。
 元々はジョージ・A・ロメロが監督する予定もあったとか、過酷な撮影現場で主演のブレンダン・フレイザーは死に掛けたとか、面白い裏話も満載。
 そして映画本編の方も、裏話の数々に負けないくらい、面白く仕上がっていたと思います。

 そんな本作の魅力といえば、何と言っても登場人物達。
 何せミイラ映画であるにも拘わらず、ミイラが甦るまでに一時間以上も掛かる構成になってますからね、これ。
 じゃあ前半は何やってるのと言えば、主に人間同士が争ってる訳なんだけど、それがキチンと面白く仕上がってる。
 それもこれも、魅力的なキャラクターが揃っているからこそ。
 そして、ミイラ映画という枠組みに囚われない、柔軟な発想の監督だからこそ出来た事ではないでしょうか。

 そもそも本作を「ミイラ映画」と評するのすら躊躇われるくらいで、どちらかといえば「冒険映画」という、そんな懐の大きいジャンルの方が、より似合う気がしますね。
 鏡の角度を変えるだけで、暗かった部屋が明るく照らされる仕組みとか「ハムナプトラの遺跡」にも魅力たっぷりであり、観ていて少年心をくすぐられます。

 監督の前作「ザ・グリード」(1998年)同様に、主人公にはお調子者の相棒がいるのかと思わせておいて、冒頭でその相棒ベニーに逃げられちゃう展開には驚かされたし、話作りも上手かったですよね。
 思えば、あれで一気に物語に惹き込まれたし、たとえ監督に関する予備知識が無くとも、充分に「話の掴み」として成功してた気がします。
 自然というか、面白い流れで「このヒロインは古代エジプト語の読み書きが出来る」「ヒロインの兄にはスリの才能がある」と説明してる辺りにも感心。

 脚本だけでなく、視覚的な演出も優れており、刑務所長が体内をスカラベに侵食される場面なんかも、ショッキングで良かったです。
 派手な出血や内臓露出などのグロ描写を用いずとも、こういう形で「エグい場面」を描けるのって、凄い事だと思います。

 主人公のリックが二丁拳銃使いなのも新鮮だったし、何より恰好良い。
 ヒロインのエヴリンもキュートであり、武闘派の主人公と、知性派のヒロインって形で、綺麗に色分けされてるのも良かったですね。
 二人が冒険を通して結ばれて、ラストには財宝よりも価値のある「愛」を手に入れてハッピーエンドになるっていうのも、文句無しの終わり方。

 そんな具合に、とにかく優等生というか、ほぼ全編に亘って面白い映画なんですが、あえて欠点を探すなら……
 主人公が頼もし過ぎて、緊迫感に欠ける(窮地に陥っても簡単に脱出するので、拍子抜けしたりする)って事くらいかな?

 「観客を楽しませる映画」という意味では、本当に王道な作りであり、お手本になりそうなくらい、完成度が高い。
 良い映画でした。
ゆきさん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2022-09-11 15:25:19)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 275件
作品の平均点 6.23点
作品の点数分布
010.36%
162.18%
231.09%
3155.45%
4155.45%
54215.27%
66824.73%
75720.73%
84114.91%
9186.55%
1093.27%
作品の標準偏差 1.89
このレビューの偏差値 52.15
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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