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《ネタバレ》 「本当にトイレ掃除やってるの?」「お父さん昔みたいじゃないし施設に会いに行ってあげて。」という意味の妹のセリフや平山の行動から、昔例えば進路などへの家庭内の干渉に反発して、家庭を持ち普通の生活を営むことを放棄し、孤独で自由な生活を選択したのではないか。彼の中ではその点時間が止まったような部分があるが、生きている以上日々時間は経過して行くし、他人との関係や喜び、驚きもそこここに存在する。そういった人生に彼は満足しつつもいくばくかの後悔、そして諦念もある・・・という感じなんだろうか。
6~70年代の渋い選曲の音楽、堅実な演技の三浦友和が出てたのも個人的には好印象、平山程の悟りには程遠く世俗の中で苦闘する今風若者を演じた柄本時生もよかったと思う。石川さゆりはわずか1分ほどの歌唱時間にもかかわらず心に残る流石の歌声の張りと艶。彼女を知らない外人観覧者からすると単に「ママ歌うめえなあ」、なんだろうけど日本人からしたら演歌の女王なんだからそらそうよ、とある意味贅沢な起用ではと感じた。まあ兎に角本作ではセリフも極端に少なく単調なシーンも多い中2時間余、ここまで引きつける役所広司の演技は大変見事でしたとしか言いようがない。 ドラマチックなストーリーの娯楽作品とかではないので少し観る人は選ぶか。 【クリプトポネ】さん [映画館(邦画)] 8点(2024-01-28 11:43:01)(笑:1票)
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