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機動警察パトレイバー2 the Movie のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 機動警察パトレイバー2 the Movie
製作国
上映時間113分
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,SF,戦争もの,アニメ,シリーズもの,犯罪もの,政治もの,刑事もの,ハードボイルド,TVの映画化,漫画の映画化
レビュー情報
アニメ映画でこれほど衝撃を受けた作品はいまだかつてなかったかと思います。

まさかアニメが、日本の安全保障についてここまで深刻かつ真面目に題材として取り上げ、鋭く切り込んだメッセージを発するとは想像もしなかったです。
世間に溢れる戦争や自衛隊を扱う邦画以上に、本作は日本の戦後体制について問題提起し、かつ上質なサスペンスに仕上がっています(人が直接死ぬシーンも、大がかりな戦闘シーンもなくここまで場を盛り上げる展開はお見事)

寒々とした東京湾景に漂う、後藤と荒川の会話。
押井作品お馴染みの「ダレ場」が、本作は一番衝撃度が高く面白かったというまさかの展開(笑)。

本作を普遍的名作にしているのは、①純粋にサスペンス劇としてのクオリティが高い、②日本の戦後安全保障への問題提起(平和憲法・日米安保が続く限りは、本作の問題提起は尚も有効でしょう)、③往年のハードボイルド・フィルムノワール要素漂う人間ドラマ(振られるとわかっていながら女の為にあれこれ奔走する男の姿は哀愁があって入れ込んでしまう)、この3要素が大きな役割を果たしていると思います。

ちなみに私はもう1要素があると思っていて、それは④パトレイバー作品である事を利用したギャップ。
よく本作はパトレイバーである必要がない、ロボットアニメとしてみるとダメという批判がありますが、私は、本作はパトレイバー作品でなければ、ある意味名作には成りえなかったのではと思います。
パトレイバーが旧OVAの頃から醸成してきたあのどこか明るく緩い世界観からは想像もつかない緊迫した展開、実にハードボイルドな人間模様。
まさにパトレイバーからは想像も付かない、というこのギャップが、観客を本作にのめり込ませる、あるいは衝撃を与える大きな要素だったと思うのです。
実際私もパトレイバーをどこか明るく賑やかな近未来警察(ロボット)アニメとして捉えていた為、幻の爆撃→後藤・荒川の会話という連続コンボに大変な衝撃を受けました。

個人的には押井監督の最高傑作だと思います。
nakashiさん [ブルーレイ(邦画)] 10点(2017-11-29 12:00:10)
その他情報
作品のレビュー数 134件
作品の平均点 7.61点
作品の点数分布
010.75%
110.75%
221.49%
353.73%
432.24%
5128.96%
6107.46%
71914.18%
82518.66%
92518.66%
103123.13%
作品の標準偏差 2.21
このレビューの偏差値 54.89
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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