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日本沈没(1973) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 日本沈没(1973)
製作国
上映時間140分
劇場公開日 1973-12-29
ジャンルドラマ,サスペンス,SF,パニックもの,特撮もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 「なにもせんほうがええ」
フィクサーの老人は自費で学者三人を雇って、日本民族の存続のために今後取り得る方策を策定させた。
冒頭の言葉は、3つ策定されたプランの最後に附された番外である。
老人から、じつは三人の学者が意見の一致を見たのがこの案だったと聞かされる首相。そして涙する。

ここ。
おそらく現代の日本人にはちんぷんかんぷんなのではなかろうか?

じつはここは、敗戦と大きく関係がある。
そして、これは誰も語らないし、俺もまたいまだに整理できていない。
つまりさ。本当は戦時中に言われていた通り、一億総玉砕しておいたほうが、スジが通ったんじゃないか。(日本民族は存続していい民族ではないのではないか)

これは言ってみれば、共感なのだ。
この感覚は表立って言われなかったが、高度経済成長という見せかけの繁栄を享受しながら、じつは本当はこんなことやっていてはいけない、という感覚をぬぐいきれずにいたのだ。それとは裏腹に、当時は企業戦士とかモーレツサラリーマンとかになることが求められた時代でもあった。(補足:俺は高度経済成長期に子供時代を過ごした)

話しを戻す。この言及があったればこそ、この物語は普遍性を獲得したと思う。
ところが、ここに気付かない現代人からしてみると、地震とか、国家滅亡の危機に際してリーダーはどうあるべきかといった表層的な部分にしか反応できないのであった。

日本沈没とは、戦争そして敗戦の比喩であった。

だが。
今や誰もそんなことは憶えちゃいねえ。
幸福な人たち。
おら、はじめちゃんさん [DVD(邦画)] 7点(2023-08-14 07:46:33)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 85件
作品の平均点 6.38点
作品の点数分布
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100.00%
222.35%
322.35%
444.71%
51315.29%
62428.24%
72327.06%
81011.76%
944.71%
1033.53%
作品の標準偏差 1.59
このレビューの偏差値 52.48
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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