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《ネタバレ》 左派の先生が強い高校に通っていた関係もあり、学校で映画館を貸し切り、すでに名画の域に入っていたこの映画を30年ほど前に鑑賞。反抗期の男子高校生として最初は「たるい映画だな」という感じでしたが、中盤以降のめり込み、クライマックスには不覚にも涙が止まりませんでした。以来、松竹がネタに窮してリバイバル上映するたびに見に行き、もう10回近く映画館でみています。
確かに何人かの方のレビューにあるように、筋は粗く穴は多いです。映画館売店前の記念写真とか、新聞コラムの紙片とか。しかし、松本清張の小説にはそういうのが多く、初期の短編などは数行で事件があれよあれよと解決するものもあり、仕方がないでしょう。 やはり、最後の1時間の捜査会議、放浪回想、コンサートの同時進行の演出の巧みさ。丹波先生の思い入れたっぷりの演説、主題曲の放浪シーンにぴったりあった旋律、加藤剛の思いつめた表情、本当に患者としか思えない加藤嘉の演技など、何度見返しても飽きません。昔は丹波演説を暗記までしていました。同じくこの映画のフアンの竹中直人さんが昔よくやっていた丹波・加藤嘉の掛け合いものまねも好きで、それをさらに真似していました。昔は森田健作刑事の目線でみていましたが、自分自身も年をとり、当時の丹波刑事の心境に近いものになってきていて、あらゆる世代が楽しめると思います。(しかし、丹波・森田コンビってその後のお2人の生き様をみるとすごい組み合わせですね) 【いそろく】さん [映画館(邦画)] 10点(2018-06-02 22:59:15)(良:2票)
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