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《ネタバレ》 家庭的な雰囲気の中に突如割り込んで来る暴力シーンの切れ味が、本作の最大の見どころであろう。その出来は率直にどれも素晴らしく、監督は流石の手腕だと思う。
より優れていると思うのは、この暴力の持つ二面性の表現というか。基本的には正義な(とまでは言わなくとも、正当防衛な)主人公の暴力は、本来人間が備える攻撃性(男なら分かる筈)を満たすという意味での痛快さと同時に、主人公の暗い過去を具現化するところの重苦しさを湛えている(更に同時に、本来人間が持つべき「暴力を嫌悪する感情」と複合しての悲痛さを含めて)。 その意味で良く出来ていたのは、息子がフォガティを射殺するシーン。ある意味「適切な」暴力を果断に行える息子には、人間としての成長・成熟を感じることと同時に、父親が最も忌むべき自身の残虐性が受け継がれているという悲劇もが描き込まれている。そんな息子から銃を取り上げ、暫く思案げにじっと見つめた末、そっと抱きしめる主人公。 本作は、家族の愛の物語なのだなあ、と。暴力と、過去からただ逃げる主人公への嫌悪を越えて、それを強く感じられたラストの余韻も素晴らしい。ヴァイオレンス映画の佳作。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-04-25 11:39:43)(良:1票)
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