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《ネタバレ》 根本的に同じ題材をモチーフにする作品としては、もう一つのケン・ラッセル『肉体の悪魔』の方が(それでも)だいぶ分り易いというか、今作は(歴史もの)サスペンスというよりは更に一段階、抽象的・雰囲気映画的⇒ややアート系…の方面に片足を突っ込んだ様な俄かには取っ付きにくい質感を擁しているとも言えます。がそれでも、モノクロ画面も相まって実に寂寥・荒涼とした映像世界の中に、総じてまた(その心の奥底の)悪意の滲み出るコトしか感じ取れない様な有象無象どもが蠢く様子からは、その当時の世界=世界構造に対するゼネラルで血の通った批判精神…というモノも大いに汲み取れると思うのですね。且つは、再度、モノクロで殺風景で(音楽的な意味での)彩りも少ない本作の、逆にある面で絵画的・アート的な「画の美しさ」というモノは、主演のルチーナ・ウィンニッカ=僧院長ヨアンナのルックス&鬼気迫る演技のクオリティも含めて、再び逆説的に実に際立って感じられた⇒その部分には、よりシンプルでエッセンシャルな「人間性に対する希望」の様なモノまでが確りと描き込まれて居た様にも思われるのです。繊細な作品であるとは思われましたが、一見の価値は在る作品だとも思いました。機会が在れば。
【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 7点(2025-07-10 06:59:31)
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