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《ネタバレ》 これも、日本でしか撮れない映画だと思う。『十二人の怒れる男』に代表される密室推理劇が、日本のアイドル文化との奇想天外な融合によって、ごくシリアスなサスペンス要素をそのままに、若干のコミカルさとそして独特な世界観を加味した非常にユニークな方向に飛躍的進化を遂げたものである。サスペンス部分の展開運び、特にドンデン返しが目まぐるしく連続する部分の出来は率直に極めてよく出来ており、まず本作は推理劇として十二分に観る価値のある仕上りなのは言うを待たない。
その上に、中盤以降、異常なまでのテンションの高さで激高し、泣き喚き、取っ組み合いを繰り広げる様には、『十二人の怒れる男』には無かった独特のコミカルさ+また別の次元のシリアスさが生まれているが、これは、推しの為なら命を捨てることも厭わない日本のドルオタが集まった為ればこそリアリティを以て成立する演出なのであり、ここにまずオリジナリティを多分に感じ取れるのである(と言って、実はほぼ全員アイドル本人の身内なんだけれども)。 そして彼らが辿り着いた誰をも傷つける事の無い結論、特に小栗旬との「繋がり」の部分には、至誠為ればファンの想いはきっとアイドルに届く、という全日本人男子の「夢」が描き込まれている(本当に、ファンを命よりも大切にするアイドル、というのも、やはり我等の見果てぬ夢なのであろう)。正直私、ここにはちょっとホロリとしてしまった。 確かに、ラスト12、3分は丸ごとオミットしても構わない位だが、それを差し引いてもよく出来ている。必見。 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-06-13 00:17:23)(良:2票)
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