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《ネタバレ》 根本的には、非常にオーソドックスな青春映画だと思うのです。これもまた、いずれ世に打って出なければならない若者たちが、その為に必要な「自信・自己肯定感=コンフィデンス」と言うべきモノの端緒を掴むまでの物語である、とは思うのでして。中で第一の主人公は、その面においては極めて劣悪な状況から物語をスタートしているとゆーか、冒頭30分位までは(個人的には)かなり観ていて居た堪れない、という映画ではありました⇒でもそれは、少なからず私自身にも(多少レベル感は異なれども)それと同様なナニかが「身に覚えの有る」コトだったからだと思うのであって、だからやはりこれは非常に普遍的な青春の物語なのだろう、とは思うのですケドね。
ある種ニつほど、そーいうオーソドックスな青春映画であるコトの上に、付加価値的にこの映画がオリジナリティと言うべきモノを備えて居るとしたら、一つそれは、ソコまでは(やはり)ごくオーソドックスに分り易く展開を運んでくる一方で、終盤からクライマックスにかけては(急激に)ごく繊細で曖昧な物語としてそのテーマが語り上げられる、というコトでしょうか。この部分に関しては、殆どあらゆるモノ=ブチまけられる感情が沸き起こる「理由」というのが、作中に明解に表現されて居る訳ではない、という様にも見えました⇒なので、逆に、その部分はそれこそ如何様にも観る側の自由な想像に任され得る、とも思います。私自身は、根本的にはそれでも、実に非常に「正しい」方向に進んでいった物語だと感じて居ます(⇒それは、前述の序盤の居辛さを越えて以降も決してただ居心地の好い物語では無かった…とは言えども、その先に現れた方の辛さや優しさや、そして種々の「傷の痛み」については、それがその彼らの人生において意味せんとするトコロが、全て正しい「先」に向いていると感じた、という意味でです)。二人が菊池に示した受容の在り方も、年齢に不釣合いな加代の優しさも、そして何より志乃の種々の怒りも&でもそれでもその怒りを実際に口に出すときに彼女が選んだ言葉の一つ一つに至るまで、あくまで私における「想像」の上からは、実に筋の通った&共感の可能な物語だったと、私自身にはごく非常に得心の行く作品だったのですよね。嘗ては、この手の作品を観るとどーしたって「原作も読んで…」みたいな欲求が芽生えたりもしたのですが、最近は&そして今作に関しては、そんな必要は無いかな、と思う様には為りましたかね(⇒驕りに聞こえたら申し訳無いのですが、それでも、私は「コレはコレとして」つくられている作品だ、というトコロには、ある種の確信を持っている、というコトではありますね)。 もう一つ、今作がスペシャルである理由は、何はともあれ主人公役の南沙良さんですね。一言、素晴らしい演技でした(⇒もう一つダケ付け加えるなら、クライマックスはもう、真の意味で=演技としても単に一人の人間としても、正に圧倒された、という感があります)。「原作を読んで…」みたいなコトの必要性は感じていない、と言ってはみたモノの、彼女がそういったシーンをどういう解釈のもとに演じていたのか、というトコロには、興味が無いと言ったら(全くの)嘘には為ってしまいますかね。加えて、蒔田彩珠さんも負けず劣らずの好い出来だったと思いますね⇒こちらは、個人的には、ややゲスいかも知れませんがとにかくルックスが超・好みだった(=ここ数年のあらゆる映画の中で最もその意味でココロ揺さぶられた)というコトなのですよね…… 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-10-07 21:13:28)
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