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《ネタバレ》 実録異常犯罪ものだが、ほぼ完全に事実に則った主展開に加え、想像による演出を徹底的に排した全体の構成は殆どドキュメンタリに近く、テッド・バンディという稀代の異常犯罪者の内面・実際の人格に迫るというよりは、「外から見た」バンディが当時どのような人物だったのかを描き出すことに特化していると言える。一方で、この手の犯罪ものなら絶対盛り込みたくなるような犯行シーン・ショック描写がラストに数秒しか出て来ないというのは、全体の演出としてある意味かなりチャレンジングで、かつそこそこ上手くいっていて面白い雰囲気を出せているように思えるのも素晴らしい。
ただ、この演出がもたらす本作の印象として一番強く感じられるのは、結局のところ決定的な証拠は何もなかったのではないか、という不愉快な疑問だというのが正直な感想(それこそが厳然たる事実なのかも知れないが)。世論を慮れば、ラスト、ややバンディ真犯人説に傾いて(ここでやっぱり犯行シーンを挿入してその事実を映像的に裏付けつつ)終わるのも致し方無いとも思えるが、それはある意味「ブレ」だとも言える。ともあれ、本作には記録映画に近い価値があると思うし、その意味では観て損は決して無い。それなりにオススメ。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 6点(2020-01-11 00:55:25)
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