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《ネタバレ》 題材の物珍しさに加えてアニメ的表現自体もかなり独特で、確かに相当にユニークな映像世界が展開されるコトからして(その時点で)観る価値てのは十分だとは思うし、音楽性にしてもシンプルなロックの様でコレも確かになんか「和風」な…とゆーか和の趣を大いに含むというやっぱ結構に独特なモノだったと思うし、かつ純粋な音楽シーンの分量が思ったよりもかなり多めで結果音楽だけにも相当高度に「浸れる」てのも個人的にはシンプルに好きな感じでした(巷では、映画の皮を被ったロックフェスだ…とか言われてたりもするよーで)。
ただ、一つだけ(言おうか言うまいか物凄く迷うのですケド+コレは私の観方が捻じ曲がってるダケなのは重々承知なのですケド)思い切って言ってしまうならば、じゃあ嘗ての(或いは今に至る迄の)観世の能楽とゆーのは、シンプルな現代のフツーなロックに「劣る」というモノなのか、というどーしようもないモヤモヤが(今作を眺めてゆく中で)私にはどーにも拭い切れなかった…てコトなのですよね。モチロン、実在の犬王の失われた芸術に「権力によって腕ずくで葬られたモノ」としての性質(=テーマ)を仮託するうえで、ソレに必要な芸術的クオリティを(現代の視聴者に)分かり易く実際の映画表現として落とし込む単なる「ツール」であるというコトは私とて重々承知なのです。とは言え、現代でも実在する二つの要素を実際に二つ並べて確実に「比較」しているという物語の構造(⇒ぶっちゃけこの構造自体、そもそもこの二つって比較できる様なモノなのだろーか?という点にも大いに疑問が在りますケド)がある中で、流石にちょっと「片手落ち」すぎやしないですかねコレ?と思ったりもするのが(重ねて)正直なトコロでありまして。 まあ、諸々と事情があるコトだとも思いますが、そもそも今作はまず尺が短めで、んで前述どおり純粋な音楽シーンが比較的にも多いというコトで物語やキャラ・世界観の描き出し自体からして少~し軽めには為っていたかと思うのですね。その中である種、根本的な「能楽」の何たるかの描写とてまた軽く薄くなっている…とゆーのは仕方が無い or 高度な取捨選択の結果、なのかも知れないとは思うのですよね。まあ実際、今作を観てそんなトコロ=「能楽」と「ロック」が比べられているというコトに「引っ掛かる」という客なんて殆ど居ないだろう…とは、私だって当然の如くにそ~思うのでありますですし。 【Yuki2Invy】さん [映画館(邦画)] 5点(2022-06-05 23:01:21)
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