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ケイコ 目を澄ませて のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ケイコ 目を澄ませて
製作国
上映時間99分
劇場公開日 2022-12-16
ジャンルドラマ,スポーツもの,実話もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 もちろん、聴覚障害という一つの重大なテーマを擁する映画であって、且つその要素の実際の描き方に関しても非常に真摯な映画であったのは間違いないと思うのですね。ただ、ソレがもたらす「孤独」と、その孤独を如何にして乗り越えてゆくのか、というお話の流れをもう一本しっかりと備えるという点では、多くの一般の鑑賞者にとってもかなり普遍的な映画でもあったのではないか、と思いました。またそして、その孤独を克服する術としての人間の「強さ」と、更にはその「功罪」とゆーか、尚もう一つのボクシングという要素も相まって人が必要とする「強さ」とか或いは「弱さ」ってナンだろうか?(⇒本当に必要なモノって一体ナンだったろうか?)とかいうコトにまで悶々と思考が流れ至ってゆきましたね。ある面でユニークながら、同時にごくシンプルで、かつ本質的でもありながら(個人的には)まま深い映画だとも感じられました。面白かったです。

ひとつ一貫した演出として音楽が入る場面は極めて限定的な作品でもあるのですが、生活音その他のありふれた音は(当然)種々の場面で淡々と流れてゆきます。が、その音はケイコには全て届かない。前半、その冷徹な事実が醸し出す彼女の「孤独」とゆーのは、実にヴィヴィッドに辛いモノとして私ですらも心臓に突き刺さってくるかの様に感じられました。重ねて、彼女の弟が言う様に「強い」人間であるケイコは、最初は自身の「強さ」でソレに抗おうとしていた様に見えるのです。その強さ、そして後半はその彼女が少しずつ変化していくサマを、全て岸井ゆきのの「目」がコレを見事に表現し切っているのですよ(また当然、殆ど声も用いずに)。ココも率直に、非常に素晴らしい表現だったと思いますね。

個人的には、2022年の邦画ではナンバーワンでした。是非。
Yuki2Invyさん [映画館(邦画)] 8点(2023-01-04 23:13:06)
その他情報
作品のレビュー数 15件
作品の平均点 6.87点
作品の点数分布
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6320.00%
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8746.67%
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作品の標準偏差 1.41
このレビューの偏差値 55.72
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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