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《ネタバレ》 後で調べてみると、そもそものシェークスピアの『マクベス』の映像化としても史上トップクラスの評価…というコトなのですよね。私見ですがソレは、妖婆=原作に於ける魔女と、そして浅茅=マクベス夫人の表現方式にポイントがあった様に思えています。特に浅茅について、彼女を多面性を備えた「人間」として描くより、その邪悪な権力欲や冷酷さのみをより際立たせた一種の「人成らざる者」として描く方が要点が分り易く伝わり易い、その部分に所謂「能」の方法論を取入れて、不要なモノを極限まで削ぎ落した抽象的な表現・演技として纏め上げたコトが、本作に更に高度な幻想み・幽玄みや寒々しさを付与している様に思えたのですね。モノクロで、画質も特に好くはないのですが、何処も彼処も凄い迫力だな…と思ってしまいました(こないだのジョエル・コーエン版『マクベス』にも、少なからず影響はあったのではねーかと)。
他、ラストの弓矢のシーン(+ソコでの三船敏郎の狂態)も確かにスゴかったと思いましたが、あのお城のセットがまたスゴかったですね。引きで全景を映すトコなんか、たぶんもう一生忘れられないと思います(あの寒々しさ・禍々しさ…)。正直、尺的な観易さも含めて、黒澤明でも一番最初に観れば好い作品なのではないでしょーか(『用心棒』とかも短くて面白いと思いますが、ちょっと西部劇的なノリもあるので慣れないと微妙…かとも常々思ったりしてましてですね)。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-02-27 10:38:20)
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