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叫びとささやき のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 叫びとささやき
製作国スウェーデン
上映時間91分
劇場公開日 1974-01-19
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 憎悪・苦痛・不安・猜疑・嫉妬・疎外感…人間の持ち得る負の感情を様々に描き込んだ重苦しい映画だが、登場人物の背景や具体的な人間関係の説明はごく限られており、だから何故彼女らがそういった感情を抱くに到ったかという「理由」の部分はあまり明確にはなってゆかない。むしろ、敢えてそれを説明しないことで、それらの感情をより純粋なものとして描こうという試みにも思える。ベルイマンの他作品を観てもたびたび思うことだが、ひとつのストーリーと言うよりは絵画的な、それも抽象画的な映画だと感じるのですよね(その意味では終盤、アングネスを抱くアンナの場面の画づくりなんて完全に巨匠の手に成る傑作のレベルでしたよね)。

内容的にもそういった傾向がある様に思われるが、やはりそういった描き方の手法的な一助となっているのが、映像表現のクオリティの高さ。舞台となる屋敷の諸々にせよ、服飾やメイク・髪型にせよ、非常に細部まで拘り抜き、かつ高度な統一感を保つことで、実に見事な抽象的・非実存的映像空間の構築に今作でも成功している。そこに加えて、今作では女優4人の演技がいずれも超ハイレベル。完成度、あるいは芸術性、という意味では、確かにこれも映画史における屈指、という域にある作品であろう。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-12-07 07:15:38)
その他情報
作品のレビュー数 22件
作品の平均点 6.91点
作品の点数分布
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214.55%
314.55%
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5313.64%
629.09%
7522.73%
829.09%
9522.73%
1029.09%
作品の標準偏差 2.17
このレビューの偏差値 52.31
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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