Menu
 > 作品
 > サ行
 > 三人の妻への手紙
 > あやかしもどきさんのレビュー
三人の妻への手紙 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 三人の妻への手紙
製作国
上映時間102分
劇場公開日 1950-05-09
ジャンルドラマ,コメディ,モノクロ映画,ミステリー
レビュー情報
《ネタバレ》  経歴も性格も見事なまでにバラバラで、まさに三者三様の結婚生活を送る人妻三人組。アディという女性から三人に宛てられた「あなたたちの夫の誰か一人と駆け落ちする」という不穏な手紙に面食らい、おのおのの“思い当たるふし”が順番に回想シーンとして丁寧に描かれる。
 騒動の張本人アディの姿を最後まで見せず、伝聞だけで想像をかき立てさせる脚本も素晴らしいが、この作品の一番の魅力は3組の夫婦が縦横無尽に繰り広げる会話であろう。とにかく機知に富んだジョークから、毒のある皮肉まで、お互いの腹を探り合う言葉のキャッチボールの妙を楽しませてくれる。そしてその会話の端々に、性別、人種、階級、家柄といった出自に関わる人間観の違いが吐露され、戦後のアメリカ社会でもまだ共有されていた価値観(結婚や軍人やマスメディアなどにまで至る)の対立が浮き彫りになるのである。
 姿こそ見せないが、常にどこかからこっちを見ているような“恋敵”に右往左往する三人の妻がいずれも魅力的である。また、三組の夫婦を取り巻く人物もしっかり描写されており、とりわけ毒を吐きまくる家政婦のサディは強烈な存在感を放っている。
 サスペンスタッチで、かつ人間観察と社会風刺に優れた上質のラブコメディである。
あやかしもどきさん [DVD(字幕)] 10点(2020-07-31 21:20:03)
その他情報
作品のレビュー数 11件
作品の平均点 7.09点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5218.18%
6327.27%
7218.18%
819.09%
9218.18%
1019.09%
作品の標準偏差 1.62
このレビューの偏差値 61.07
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
三人の妻への手紙のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS