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《ネタバレ》 “Jurassic Park”『ジュラ紀遊園地』。
この当時、私たちの身近なCGといえば、ようやくバーチャファイターが誕生し、ポリゴンのカクカクしたキャラに驚いていた時代、映画はさらに革新的な映像を生み出していました。ターミネーター2の液体金属描写には驚きましたが、まさかCGとアニマトリクスで、まるで生きているような恐竜そのものが創れるなんて、思いもしませんでした。懐中電灯に照らされたTレックスの瞳孔が収縮した瞬間、人類はどんな映像でも創り出せる領域に達しました。 私が子供の頃の恐竜は、トカゲやワニの祖先として、ゴジラのように直立して、二本の足で尻尾を引きずって歩くものと思われていました。この映画の時代、鳥の祖先として頭を前に突き出し、尻尾を立てた、鳥のような姿勢で、軽快に走る姿はとても美しく、恐竜の研究も、10年そこらで大幅に進んだことを感じさせくれました。また琥珀に飲まれた蚊の血液から…というのも凄くリアリティを感じました。デジカメで撮った膨大な画像や映像データが、爪の先くらいのマイクロSDカードに入ってしまう不思議さと同じくらいのリアリティ。時代が進めば本当に実現出来るんじゃないかな。 本作は一番最初のCG恐竜映画にして、観たい恐竜映像のほぼ全てが詰め込まれていたと思います。まるで生きている恐竜を観る驚き。あれから30年以上経っていますが、その後どんなに進んだ技術で創られた恐竜映像でも、本作のインパクトを超えるものは、今のところ創る事が出来てませんよね。敢えて足りない部分を言えば、本作に登場していない、ステゴサウルスとかプテラノドンなんかを観てみたいかな?くらいでしょうか?他には…あまり思いつきません。 当初は、超有名なティラノサウルスより、聞いたことない小型のヴェロキラプトルの方が目立ってた事に疑問を感じてましたが、今思うと、ティラノがずっとメインだと、ストーリーも大味になってたかなって思います。建物に入ったラプトルが足の爪でカンカンとリズムを取る(?)のが妙に生々しく感じました。 それでも最後はキング・オブ・恐竜・ティラノで〆る所がニクイです。そう、観客は小さい頃に夢中になった恐竜を観に来てるんだから。やっぱ最後はティラノでなくちゃ。 体感型映画だけに、ストーリーはオマケに感じていましたが、子ども嫌いのグラント博士の心境の変化に注目です。最初化石の発掘をつじて、会うことのない恐竜に思いを馳せ、ラプトルの爪の化石を大事に持っています。その後パークに来て、自然に逆らって人間が創り出した恐竜を目にし、ラプトルの爪に価値を感じなくなり、捨ててしまいます。冒険が終わり、グラントは満面の笑みをエリーに向けます。神によって人間が創ることを許された生命こそ、いまグラントが両手に抱えている“子供”なんですね。見事です。 【K&K】さん [地上波(吹替)] 9点(2024-08-21 23:41:41)(良:1票)
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