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《ネタバレ》 -GHOST PROTOCOL-“存在しないもの(ゴースト)として扱う取り決め”。万が一の事態が起きたら、諜報員は今まで『捕まっても当局は関与しない』いわゆる“とかげの尻尾切り”だったけど、政府が『ウチにIMF(とかげ)なんて組織、無いですよ。』って事にしてしまおうと。
Ⅲで見事に立て直し、Ⅳのナンバリングを付けなかった本作。Ⅱで披露したイーサンのフリークライミング技術。Ⅲの読心術。過去作の設定を上手に活かした所に感心する。新たに披露した似顔絵の技術は、スパイらしく凄い能力。 そして前作のイーサンの結婚は、シリーズ化を考えると足枷だった新設定を、このように処理して、新メンバーのブラントを絡めて、最後あのように安堵させる。ブラッド・バード監督の腕の良さが光る。賛否両論のⅡ(イーサンの髪型もⅡ寄り)を含めて、このシリーズの過去作を大事にするバード監督の姿勢。 本作のヒロイン、ジェーン・カーター。トムのワガママか知らんけど、シリーズで2作続けて出たヒロインは居ない。そこを踏まえて次作に出る確率の低いジェーンを、前のミッションの時からイーサンと対等のチームリーダー格にしていたんだと思うと、もうバード監督の作品と登場人物への設定愛と言って良いかもしれない。単体作品ではⅠがベストだけど、シリーズ物としてはこのⅣがベストだと思う。 自爆しない公衆電話、壁登り手袋の充電切れ、フルマスク製造機の故障…これらはブラントの磁気スーツの不安を煽る演出だけど、同時にIMFのメンテ不足、予算不足を表している。更にベンジーのエージェント化なんて人材不足の現れとも思える。それでクレムリン爆破の際、政府は隠蔽工作より楽なIMF解体(ゴースト・プロトコル)を選んだんだろう。 メインはやっぱりイーサンの活躍なんだけど、それを支えるIMFのチーム活動が、最後まで活かされていたのが良い。序盤のハナウェイの活躍なんか、イーサンのチームだけでなく他チームも活躍してることが見えて嬉しい。 前作で少しハードな方向に振れた死のシーンを減らし、ベンジーをコメディリリーフとして近くに置くことで、作品の緩急のバランスが上がっている。 最後にチラッと出てくる皆勤賞ルーサー。無事な姿を見せたジュリアとの切ない別れもあり、シリーズ物として、続き物として、大変良く出来た作品なんじゃないでしょうか? 【K&K】さん [映画館(字幕)] 9点(2022-05-06 15:51:54)
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