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アマデウス のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アマデウス
製作国
上映時間160分
劇場公開日 1985-02-02
ジャンルドラマ,ミステリー,音楽もの,伝記もの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 “Amadeus”邦題ままモーツアルトのミドルネーム…なんだけど『神に愛される』って意味なんだって。たしかに劇中、彼をアマデウスとは呼んでない。中学生の時、音楽の授業で複数回に分けて観たのが最初。だけど時間の関係で最後までは観られなかったと思う。とにかくあの、独特な笑い声で、いつもヘラヘラしてる、子供みたいなモーツアルトがショッキングだった。音楽の教科書に書いてた肖像画とイメージ違いすぎた。

音楽映画で才能の違いを観せるのって難しいと思う。極端な下手くそと上手い人の対比ならともかく、どちらも名だたる才能の持ち主だとしたら尚さら。
サリエリが作曲した『マーチ』。謙遜して「思い付きで書いた曲で」なんて言ってた自信作を、モーツァルトは1度の耳コピで完璧に弾いてみせて、その場で改良までするシーンは音楽の素人が見ても圧巻。ピアノが上手じゃない陛下と比べるまでもなく、作曲者サリエリの才能すら凌駕して、モーツアルトの曲に人々が凌駕されていく空気すら伝えてみせた、凄いシーン。
金策に困ったコンスタンツェがサリエリに楽譜を見せるシーンも圧巻。見ただけで楽譜から音楽が溢れ出す。全く手直しされていないオリジナルの楽譜。
モーツアルトが改良した『マーチ』が自分の作品じゃなかったら、楽譜がたくさんの手直しで苦労の跡が見えたなら、サリエリも素直にモーツアルトを尊敬できただろうか?終始サリエリ側の視点で観せるから、プライドがズタズタに引き裂かれる気分と、モーツアルトの才能の凄さが同時に味わえる。(創作だって?私はドキュメンタリーじゃなく映画を観てるんだ)

モーツアルトの才能が解るからこその苦悩。嫉妬から来る妨害。音のないバレエを陛下が観た時のモーツアルトの勘違いと、咄嗟に空気読むサリエリ可愛い。
神が自分ではなくモーツアルトに才能を与えたこと。神を恨み、その恨みの矛先をモーツアルトに向けたサリエリ。そんな2人のまさかの共同制作がアツい。何だろう、サリエリにとって、この瞬間こそ至福の時だったに違いない。そんな思いがビシバシ伝わってくる。
神を恨む一方で、モーツアルトに頼られた男サリエリ。師弟愛とも友情とも違う、2人の奇妙な関係に惹きつけられた。
K&Kさん [レーザーディスク(字幕)] 9点(2023-09-03 16:27:42)
その他情報
作品のレビュー数 380件
作品の平均点 8.37点
作品の点数分布
010.26%
110.26%
220.53%
361.58%
430.79%
571.84%
6266.84%
74511.84%
87920.79%
99224.21%
1011831.05%
作品の標準偏差 1.71
このレビューの偏差値 52.16
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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