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《ネタバレ》 ~The Mule~麻薬の運び屋。頑固者。運搬用のラバ。う~ん、どれも当てはまる。けど、トランスポーターみたいなカッコいいアレでは無い。
麻薬の運搬ってかなり重たい犯罪だろうけど、何かほのぼのした話。 ガレージの三人組は気さくな連中だし、フリオはピリピリしてるけど根は良いヤツ、殺す殺す言ってたコワモテのヒゲも、最後はボスに懇願してくれた。今まで蔑ろにしてきた家族との絆も回復して、罪を償いながら、大好きな花の飼育をしながら刑務所で余生を過ごす…悪くない老後。 わざわざ俳優復帰してまで、平凡なほのぼの爺さんの犯罪映画作るなんて、イーストウッド丸くなったなぁ… アールは娘の結婚式の日さえもすっぽかし、仲間だけでなく他の結婚式の一団にも酒を奢るクソ野郎。 そんなクソ野郎が、死ぬ間際の歳に大金手に入れて、元妻の死に目を看取ったからって娘に許されるのか? なんかモヤモヤする。 違和感を感じたのが、アールが捕まる時の顔の傷。たまたま転んだ?誰かに付けられた?何で説明が無いんだろ? 誰かに傷付けられたとしたら、やっぱコワモテのヒゲだろう。アールを気に入って命を救おうとボスに連絡してるっぽいのに、痛めつける必要があるか?何か違和感。コワモテのヒゲやフリオ、組織のその後が描かれないのもすげーモヤる。 (BDの特典映像とかで説明されてるのか?そうでないなら)…このクソ野郎、もしかして自分に都合悪い事は目を瞑ってるんじゃないか? 男で90歳は平均寿命より長い。普通なら死んでる年齢まで娘に嫌われたヤツが、今さら許されるだけの何かをしただろうか? コイツは麻薬の輸送で手に入れた汚い金で、まず自分の新車買って、次に自分の農場を取り返す。外面良く見せたいから焼けた施設の修復。そして女遊び。優先するのは自分と外面…本当にクソ野郎。 アールのデイリリーは大人気で優勝。スピーチジョークで会場を大爆笑させ、女二人相手に朝まで喜ばせ、フリオは美味いバーガーに喜び、カタギになる話を真剣に受け止める…自己中って自分がやった事は、さも素晴らしい事したように大袈裟に言うんだよな。 娘の「感謝祭に来てね」も、単なる社交辞令をクソ野郎が都合良く解釈してるだけじゃないか?「ジェームズ・スチュワートに似てるね」なんて言われて嬉しいことは忘れないけど、都合の悪いことは目を瞑る。 『自己中クソ野郎は死ぬまでクソ野郎』って映画を、クソ野郎側の一方的な視点でサラッと作ってみたんだとしたら、イーストウッドってやっぱすげーわ。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-17 20:40:16)
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