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狼よさらば のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 狼よさらば
製作国
上映時間93分
劇場公開日 1974-11-02
ジャンルアクション,ドラマ,シリーズもの,犯罪もの,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 “Death Wish”『死を望む』≒死ねや。テレビ放映されたロサンゼルス→スーパーマグナムを観てから、シリーズものだと知り、本作を借りて観たと記憶しています。街の処刑人として、どんどん過激になっていくポール・カージーでしたが、一番最初はこんなにも大人しい、いわゆる普通の人のリアルなドラマだったことに驚きました。単独作品として秀逸です。

最初の武器は靴下に詰めた硬貨。実行する前に手が震え、撃退に成功したけど走って逃げ帰って、震える手でブランデーを飲み、成功を喜ぶように靴下を振り回して、硬貨をばら撒いてしまう。初めて銃を撃ったときも、家の電気も付けず、後悔の言葉をつぶやき、トイレに嘔吐する。この感情の波の極端さが現実っぽく“自分がポール・カージーの立場だったら”って“if”を体感させてくれます。
追う側のオチョア刑事も印象深く、パワハラチックな部下の使い方と、細かくも抜け目ない、真綿で首を絞めるように執拗な捜査で、じわじわとカージーが追い詰められるのが見て取れてスリル満点です。
オチョアがずっと鼻炎に悩まされてるのが『この設定…いる?』と思える反面、オチョアという人物が、とてもリアルに思えました。

家族の仇に出会えないのもまたリアルに思えます。カージーがこれだけ活躍しても、ニューヨークでは家族の仇に偶然にも出会えないくらい、犯罪者が多いって表現でもあるでしょう。ですが何よりカージーは直接的な復讐を目的としていません。彼自身が犯人を目撃していないのと、あんなになってしまった娘に犯人像を聞くわけにも行かない。そもそも“直接犯人を殺して、めでたしめでたし”って類の物語ではありません。
警察に正体がバレたカージー。最後のギャングに銃を構えさせようとするところは、ここを死に場所としたかったのかな。
到着したばかりのシカゴの駅で、さっそくゴロツキ共を目撃した時のカージーが、指で銃を構えるところ、めちゃくちゃカッコイイですよね。
このシーン、私には『この街にもぶっ殺していいクズが居たわ』って喜びに、目がキラキラしてるように観えました。
実はカージー自身が、ゴロツキを殺したい快楽殺人者として、もう精神が崩壊していたんじゃないでしょうかね?
K&Kさん [ビデオ(字幕)] 8点(2024-10-02 09:06:41)
その他情報
作品のレビュー数 48件
作品の平均点 6.48点
作品の点数分布
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100.00%
212.08%
300.00%
412.08%
5918.75%
61633.33%
7918.75%
8918.75%
912.08%
1024.17%
作品の標準偏差 1.47
このレビューの偏差値 57.02
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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