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《ネタバレ》 原作は本当に大好きな作品。その世界をここまで再現してくれた制作陣には感謝しかありません。満点をつけたいところですが、一つだけ大きな不満があります。それは主人公フロドの苦しみが十分に伝わってこないこと。他の方のレビューでも主人公が情けないと書いておられる方が多いですが、映画だけ見るとそう感じるのもしかたないと思います。
あの指輪は、ガンダルフやガラドリエルなど力のある者が持てば、第2のサウロンかそれ以上の魔王になるというシロモノ。持っているだけで悪へと誘惑され、心身を蝕まれていきます。素朴で善良だが強い心を持つホビットだからこそ、滅びの山まで指輪を持って行けたのです。そのフロドでさえ、最後の瞬間には誘惑に勝てませんでした。おそらく生身の存在には耐えられないのでしょう。ゴクリのおかげで?指輪は破壊されましたが、フロドはその苦痛から癒されることはありませんでした。だからこの世を離れ、悪のない西方へ旅立ったのです(死んだのではありませんよ笑)。 指輪はそういうものであるとキチンと描かないと、フロドは情けない、最後に勝手に船にのってどこかへ行ったよくわからんヤツだし、終盤のシーンはただ冗長で退屈なだけでしょう。私は観るたびに涙を禁じえませんが。 ワンシーンでも、セリフ一つでもなんとかならなかったのかと残念でなりません。 【スターストライダー】さん [映画館(字幕)] 9点(2021-04-04 14:10:31)
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