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身に覚えのある、どこかで経験したような人生の一コマが切り取られています。人間同士の微妙な距離感とどこか噛み合わない台詞の醸し出すリアリティ。保守的な祖父母世代の価値観とそこから少しはみ出してしまう居心地の悪さと後ろめたさ。確かにこの頃のお年寄りや子供ってこんな感じだったなあという実感があります。普通ならつまらなくなる題材をここまで面白くした技量は確かなものでしょう、でも普通ならつまらない内容にしては面白いというだけとも思えます。ラストシーンはしんみりとした気分になりますが後に残るものは何もなく、結局これってただの小津安二郎もどきでしかないという疑念は拭えません。かと言って是枝裕和監督の作品としては最近のある程度ドラマ性が強くなる代わりに不自然さが目立ってきている作品の方が良いとも言い難いのですが…。
【Сакурай Тосио】さん [インターネット(邦画)] 6点(2023-09-29 23:52:36)
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