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火垂るの墓(1988) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 火垂るの墓(1988)
製作国
上映時間88分
劇場公開日 1988-04-16
ジャンルドラマ,戦争もの,アニメ,小説の映画化
レビュー情報
高畑勲監督の戦時下の日本の描き方は冷徹です。清太たちが追い詰められた一番の原因は米軍の空襲によるものなのに、いつしかその米軍の空襲にさえ快哉を叫ぶようになってしまうという皮肉。投げ捨てられるドロップ缶の遺骨、蛆が湧く母親の死体、米に換えられる母の着物(桜の花びらと米がオーバーラップする演出もえげつない)、最後の頼みの綱だった父親の連合艦隊の壊滅も大した事件でもないかのように吐き捨てられてしまいます。ここで描かれているのは自分が生きていくためには死んだ人間のことにいちいち構っていられないという状況に置かれた人間の姿です。なぜ戦時下の死が悲惨かというとこのようにまともに弔われることも哀しまれることもなく死んでいった人間がたくさんいるからです。だからこそその弔いとなるような作品が必要なのだと思います。
Сакурай Тосиоさん [DVD(邦画)] 10点(2023-07-07 23:54:26)(良:3票) (笑:1票)
その他情報
作品のレビュー数 407件
作品の平均点 6.67点
作品の点数分布
0256.14%
1112.70%
2122.95%
3102.46%
4153.69%
5358.60%
64110.07%
76716.46%
87317.94%
96315.48%
105513.51%
作品の標準偏差 2.79
このレビューの偏差値 54.27
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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