Menu
 > 作品
 > カ行
 > 怪物(2023)
 > Сакурай Тосиоさんのレビュー
怪物(2023) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 怪物(2023)
製作国
上映時間126分
劇場公開日 2023-06-02
ジャンルドラマ,サスペンス,ミステリー,学園もの
レビュー情報
近藤龍人の撮影は素晴らしいです。安藤サクラと永山瑛太が豪雨の中窓の泥を拭いとる様子を電車の内側から見せるショットはまるで墨絵のように見える効果があり斬新な造形だと思いました。直接関係はないかもしれませんが黒澤明が七人の侍で雨に墨汁を混ぜたというエピソードを思い出しました。しかし結局のところその撮影もただ美しい画というだけで何かの象徴として効果的に使われているわけではありません。湖だけを映したショットが何度か挿入されますが、場面の区切りとして機能しているだけです。湖の近くの町と学校という舞台設定には美しくそしてノスタルジックでもあること以上の意味がありません。作品のテーマは善意としての行動が結果として他者を追い詰めることにもなり得ること、それが必ずしも個人だけの罪というわけではなく置かれた立場や組織の論理によるものではないかと気づかせることです。しかし星川父(中村獅童)のみ別の側面を見せずに単純な悪人として描いています。それはこういう人物だけは絶対に許せないという作り手の主張といえなくもないでしょうが、安易な悪役の記号を寄せ集めた安っぽいキャラのようにも見えてしまいます。ラストも劇中で提示された多くの要素を一つにまとめ上げるテーマやメッセージを投げ捨ててありがちなメロドラマ的エンディングでお茶を濁したようにしか見えず納得がいきません。それこそ黒澤明の羅生門は最後には人間不信を拭い去ろうとする一筋の希望を提示してみせました。この映画もまたそうするべきではなかったでしょうか。
Сакурай Тосиоさん [映画館(邦画)] 5点(2023-06-23 22:37:17)
その他情報
作品のレビュー数 38件
作品の平均点 7.03点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
212.63%
300.00%
412.63%
525.26%
6923.68%
71231.58%
8615.79%
9513.16%
1025.26%
作品の標準偏差 1.58
このレビューの偏差値 41.89
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
怪物(2023)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS