Menu
 > 作品
 > テ行
 > 点と線
 > Сакурай Тосиоさんのレビュー
点と線 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 点と線
製作国
上映時間85分
ジャンルドラマ,サスペンス,ミステリー,刑事もの,小説の映画化
レビュー情報
原作小説の映画化としてはとても丁寧に作られていると思います。原作と比べると福岡の人間が博多弁で喋ることを強調しているのは良い脚色です。85分という短尺の中で必要のないエピソードは省き、原作では手紙でのみ語られるエピソードを具体的に描写しクライマックスに持ってくる構成は正しい判断です。しかしやはり根本的にミステリーというジャンルと映画の相性の悪さを感じざるを得ません。ストーリーの基本として、主人公が物語が展開する中で変化・成長していくという面白さがあります。しかしこの映画では主人公にあたる刑事・三原(南廣)は序盤で安田辰郎(山形勲)を悪人とみなし犯人として疑ったまま最後までその認識が変化することがありません。もちろん、この映画内ではその認識自体に誤りがあるわけではありません。しかし同じ松本清張作品の映画化でも野村芳太郎監督の作品に比べるとこの映画がマイナー止まりなのは作品の古さも一因でしょうが、探偵役である主人公が犯人の人物像を突き詰める中でその心情が変化していくドラマ性に欠けているからだと思います。ドラマチックな展開にするにはもう少し安田亮子(高峰三枝子)を主人公側と関係を持たせる必要がありました。映画というのは基本的には探偵よりも犯罪者を主役とした方が面白くなる媒体なのです。
Сакурай Тосиоさん [インターネット(邦画)] 5点(2023-05-05 22:34:00)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 21件
作品の平均点 5.86点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
429.52%
5733.33%
6523.81%
7628.57%
814.76%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 1.08
このレビューの偏差値 42.67
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
点と線のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS