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20年以上前の旧作で、沢田研二の「妖魔」を思わせる艶技は他に類なく、若山富三郎の「華麗」かつ「重厚」な殺陣はその時点ですでに別格と記憶しました。新作の窪塚洋介には虐げられた果ての「狂魔」を想像していたのですが何となく中途半端なキャラクターになってしまいました。最後の十兵衛との闘いで雄叫んでいただけに少し残念。監督が旧作を意識しすぎたのでしょうか?中村嘉津雄は「正統」の極みを思わせる殺陣を披露し十兵衛が魔界衆と刃を交えるうちに剣の腕に凄みを増してきたことを感じさせました。ただし魔界衆をもっと手強く、重く描いてほしかったですね。佐藤浩市はなかなか良かったです。個人的には旧作の千葉真一よりも記憶に残りました。己の体に流れる剣の血が避けられない運命の中で本能的に目覚めていき、それでも世の仕組みやしがらみを否定するように「俺は俺」と言い放つ。映画全体から見ると佐藤浩市だけはシリアスな演技で、ここだけを観れば十兵衛の成長物語という印象が残りました。それだけに窪塚「狂魔」を十兵衛と対比させるべく、もっと凄みのある役にしてほしかったです。でもこれでは映画のテーマからはずれてしまうのかな?室内装飾や色彩にはこだわりを感じました。
【天地 司】さん 6点(2003-07-02 12:54:38)
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