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ご立派。ひねくれた見方をすれば、傲慢。つまり、差別する側の人間(主人公)が、被差別側(ユダヤ人)のふりをするというのは、結局上から見下ろしている、低いところへ下りていくという印象を禁じえない。「差別の実態を知る」なんていっても、そんなことはユダヤ人にしてみたら「何を今さら」だろうし、身をもって体験しないと分らないということ自体が問題。ユダヤ人のふりをすることによっていかに屈辱的な扱いを受けようと、正体を明かしてしまえば彼はまた以前の生活に戻れるのだから、所詮それは疑似体験に過ぎないわけで。なんだか動物愛護団体のような不遜な感じを受ける。乱獲するのも人間の傲慢、保護するのも人間の傲慢でしょ?それとも罪悪感? まあ、根が深い問題だけに、エリア・カザンのその後も含めていろいろ考えさせられる作品なのは間違いない。
【愚物】さん 6点(2003-05-02 12:21:42)(良:1票)
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