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さて・・10点を進呈したものの、この映画だけは人に手放しで推薦できない。始めてみた時、はらわたが煮えくり返るのを通り越して、一緒に見に行ってくれた人に誤りたくなるほどひどい内容だと思ったのだ。そのままの勢いでレビューを書いたら、迷いなく0点をたたきつけていただろう。しかし、本当に○ソ(お下品)な映画は腹立ちこそ覚えていても、その内容はすっかり忘れてしまうもの。ところがこの映画は心のどこかにずっと引っかかっていた。そして日を追うにつれ、「もしかしてこの映画ってすごいのかも・・?」と思ったのだ。彼女はああいう風にしか生きられなかった。利口にも合理的にもなれない。ただ目の前にある真実に忠実に生きるしか出来なかったのだ。それが悪いことだと思ってしまうのはあまりに傲慢ではないか・・・。彼女が社会的には少数派(?)である共産主義国からの移民であることも、彼女のした選択についての複線である。それを始め、こまかい複線が無駄なく張ってあり、またあまり美しいとはいえない(!?)ヒロインだったが、笑うと儚げで可愛らしいところも印象的だった。そういったいろいろなテクニックを駆使しているところに、憤慨してはいたものの、少なくともこの映画のただならなさを感じることが出来たと思う。それを踏まえたところで冷静に評価すると、7点くらいが相当なのだが、自分の新たな感性を発掘させてくれた所に敬意を表しての満点献上。
【くらげ】さん 10点(2002-09-09 14:41:39)
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