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【クチコミ・感想(9点検索)】
3.『ゲド戦記』という父殺しの作品を作った宮崎吾朗監督が、今回は父を想う作品を作ってきた。と思いきや、脚本にかかわっているのが当の父親本人だもんで、額面通り受け取ってよいのやら。主人公のウミちゃんが、母から事の真相を聞いて涙する場面。一見、「愛する俊くんと実のきょうだいではなかったことを知り、安堵の涙」とも受け取れるけれど、そうではないのかも知れない。彼女がその前に涙を流したのは、夢で父親と再会した場面であったから。亡き父へ送っていた旗の信号を受け取っていたのが、実は俊くんであったから(そして、彼女も「旗が父の代わりに俊くんを呼んだ」と思っている、あるいは思おうとしている)。そして、この場面の彼女の涙は、母親の「お父さんと彼は似ているのか」という質問にうなずいた直後のものであったから(実際、俊くんの育ての父に言わせても似ているらしい)。そんな訳で、高校生の恋愛という題材を借りてはいるけれど、実際は、セクシャルなものではない、近しい者に対する普遍的で無条件の愛が、ここでは描かれているんだろう、なーんて思うと、実はコレ、『ポニョ』の変奏曲みたいな作品なのかもしれませぬ。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 9点(2015-01-23 00:04:54)
2.2回目の鑑賞。
なんでこんなに低い点なんだろう。
めちゃくちゃいいじゃん!
ここに出てくる人、全員好きだわ。
曲もいいし、DVD買おう。 【Skycrawler】さん [地上波(邦画)] 9点(2013-02-02 21:19:21)
1.「まるで安いメロドラマだ」と自分たちに与えられた境遇に対して、少年が言う。
“恋”が芽生え始めた少年少女の間に生じた「出生の秘密」は、使い古されたプロットでまさに少年の台詞がふさわしい。
しかし、彼らはその事実に対して、決して安易な悲劇に浸らない。悲しみや困難から目をそらさず、自分の感情に対してまっすぐに立ち、乗り越え、その先を歩んでいく。
その自分の人生に対する力強いスタンスは、主人公の二人に限ったことではなく、この映画に登場するほとんどすべてのキャラクターから見て取れる。
1963年という時代背景の中で生きる人々。もちろん、幸福も不幸もある。しかし、そこには現代社会のような閉塞感はなく、幸福だろうが不幸だろうが、自分の意志で前を向いて生きていかなければならないという力強さと希望が溢れている。
そういう生き生きとした人間模様こそが、この映画の最たる魅力だったと思う。
すなわち、このアニメ映画は相当に素晴らしい作品だったと断言する。
映画は主人公の少女の「日常」の朝の風景から始まる。
主人公の少女の境遇や周囲の人間の人物像を捉えても、特別に劇的なことは何もない。
それなのに、次第に彼女をはじめとするキャラクターたちの言動に惹かれていく。
それは、この映画が人間の一人一人をとても丁寧に描き、彼らが生きている「時代」をありありと切り取っているからだと思う。
そこにはあざとく説明的な台詞や描写は存在しない。時に時代背景や当時の社会風俗の知識が無いと分かり辛い部分もある。しかし、そういったものは、彼らが生きている様を見ているうちに自然と解消してくる。
そうして、気がつくとどっぷりと主人公たちの感情に移入している。
とても丁寧ではあるが、決して大衆に安直な迎合はしない潔さと、映画表現の巧さがこの映画には溢れている。
作品の性質上、なかなか万人向けとは言えない映画であり、特に子どもが見ても面白さは分からないかもしれない。
ただ、かつて「耳をすませば」や「おもひでぽろぽろ」が、歳を重ねるにつれ面白味が溢れてきたように、長い年月において自分が成長していく中で、理解が深まり初見時とは違った感動が膨らむ映画だと思う。
だからこそ、年代問わずいろいろな人に見てほしい素晴らしいアニメ映画だと言いたい。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-07-18 00:24:23)(良:2票)
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【点数情報】
Review人数 |
117人 |
平均点数 |
5.70点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 3 | 2.56% |
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3 | 8 | 6.84% |
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4 | 22 | 18.80% |
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5 | 18 | 15.38% |
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6 | 30 | 25.64% |
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7 | 18 | 15.38% |
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8 | 10 | 8.55% |
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9 | 7 | 5.98% |
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10 | 1 | 0.85% |
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【その他点数情報】
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