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【クチコミ・感想】
2.チェコで実際に起こった事件(スランスキー事件)に基づいているそうですが、過去の一事件の告発に終わらない、もっと普遍的な「恐怖」が、ここでは描かれているように思えます。映画は、背景のあまり多くを説明することなく、いきなり主人公が逮捕されるところから始まり、「これでもか」と過酷な取り調べが続きます。あまりにも息苦しい展開。主人公の弁明は実にクリア、彼が無実であることは、我々の目には間違いない。しかし、「彼の問われている罪」には取り調べ側の恣意性が次第に色濃くなり、「事実」を上回るクリアさを帯びてくる。主人公の転落への道はのっぴきならないものとなり、そして・・・。このシステマティックに仕組まれた逃げ場の無い絶望感、いかにもナチス・ドイツに相似しているが、それにとどまらず、見知らぬ人間同士が集まって「社会」を形成し、互いを束縛し、大きさの決まったパイの取り合いを始めるとき、多かれ少なかれ、このような絶望感への下地が根底に築かれているのでしょう。もともと「自由」とは「束縛」の海に浮かぶ小島に過ぎないのかもしれない。その不自由な海の中で、いかに流れに逆らわず、「障害」となるものがあればいかにして効率的に抹殺するか。流れから一度外れてしまえば(必ず誰かがその貧乏籤を引くのだが)、あとはもう、絶望の泥沼に溺死させられるしかない。イヴ・モンタンが身を呈して演じて見せた主人公の転落の姿は、ひとつの究極ではありますが、普遍的な、一種運命的な「恐怖」さえ伴うものであります。さて一方、主人公が目隠しをされた異様な姿など、いかにスタイリッシュであることか。↓まぶぜたろう様の指摘はあまりにも鋭い(感服!)。政治的屈服の背景にあるものは、広い意味での「エロティシズム」と言えるでしょう。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-13 12:29:44)(良:1票)
1.国家が本気になったら個人なんてどうとでもなる。当然と言えば当然な事実を厳然と突きつけられると、国家に対する恐怖というよりは、国家というシステムの合理性にしびれる。いや、ほんとにかっこいいんだ。クライマックス、法廷の裏側に簡易尋問室が並べられ、イヴ・モンタンをはじめとする囚人たちがいっせいに「管理官はどこ?」と騒ぎだすシーンのなんと恐ろしくもかっこよいことか。ファシズムに身を任せることの快楽。 【まぶぜたろう】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-11-06 23:33:58)(良:1票)
マーク説明 |
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《更新》 | :7日以内に更新 |
【点数情報】
Review人数 |
4人 |
平均点数 |
8.25点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 0 | 0.00% |
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6 | 0 | 0.00% |
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7 | 1 | 25.00% |
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8 | 2 | 50.00% |
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9 | 0 | 0.00% |
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10 | 1 | 25.00% |
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