みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.物語の発端となる事件ですが、モーガン・フリーマンが賄賂に対して葛藤する場面がほぼないため、大臣に対する行動はただ後先考えずの無謀な行動にしか見えず共感ができませんでした。逆に護るものがある立場の人が理想論だけで何考えてんの?と呆れてしまいます。 まあ忠臣蔵が元なので日本人はある程度理解はできるかもしれませんが向こうの方は厳しいんじゃないでしょうかね? 今作は紀里谷監督のお得意のCG全開の映画という感じてはないですが、思ったよりもちゃんと作れていてこういう作りも出来るんだって感心しました。今回は興行的に厳しかったっぽいのですが、この監督は好きな監督なので次回作があるといいですね。 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-17 17:07:54) 4.中世ヨーロッパと思われる国が舞台ではあるものの、アフリカ系、東洋系、中東系、果てはマオリ人までが入り乱れるという多国籍ぶりであり、リアリティとは一線を画した世界観で繰り広げられる時代劇。ただし、監督が日本で製作した2作品のような荒唐無稽な映像表現はなりを潜め、リドリー・スコット作品のような重厚な時代劇として仕上げられており、少なくともルックス面は完璧です。この監督さんは意外と引き出しの多い人なのだと感心しました。 問題は、キャラクターへの感情移入が難しいこと。モーガン・フリーマン演じるバルトーク卿は年齢の割には向こう見ずな性格で、ロクな策もなしに権力者に盾ついて家族も家来も不幸にするのだから、愚かにしか見えません。憎まれ役たるギザ・モットは分かりやすい悪役に徹しているものの、その人物造形にまるで深みがないために、なぜこいつが皇帝から一定の信頼を得て重職を担わされているのかがわかりません。両者には、もっと頭を使わせた方がよかったように思います。 また、日本人にとっては当たり前すぎて気にしたことのなかった忠臣蔵という物語の欠点も、設定と舞台を変えたことから露わになってしまいます。領主を失ったライデン隊長以下騎士団の面々は1年以上をかけて復讐の段取りを整えるわけですが、なぜそんなことに労力を費やしているのかが途中から分からなくなるのです。特にライデンは、残された主君の家族や部下達を不幸にしないよう新生活の構築に全力を挙げるべきなのに、復讐という後ろ向きな目的に突き進むものだから、次第にこちらも愚かに見えてくるのです。 序盤にて、主君と騎士との精神的な繋がりをもっと克明に描いておくべきだったし、騎士という立場を失えば彼らは生きる意欲までを失い、社会にとって有害な野良騎士になるおそれがあったことからライデンは彼らに復讐という目標を与え続けた等の合理的な背景も欲しいところでした。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-08-10 13:26:46) 3.公開時劇場まで観に行こうと思っていたが、タイミングを逃しそれきりになっていた作品。今回ブルーレイにて初鑑賞。これはやはり映画館まで観に行くべきだった。 恐らくこの作品は将来的に一つの転換点、エポック・メイキングとして振り返られることになるだろう。つまり日本人の監督が世界で(ハリウッドで)当たり前のように仕事をするようになった際、そのきっかけとしてこの作品が挙げられる事になるのではないだろうか。何より普通のハリウッド映画になっている。これは凄い事だ。日本人の監督が普通のハリウッド作品を作ったという事、これは一つの壁を壊したという事だ。音楽の世界などでも言われる事だが、卓越したセンスを持った人物を「日本人離れした〜〜」と表現する事がある。この事自体、ある意味日本人は世界から比べると劣っているのだという根底意識の現れだろう。恐らくこれは第二次世界大戦に負けた時から我々日本人に決定的に芽生えた、もしくは植え付けられた意識では無いだろうか。(これはつまり戦後の教育が大きく関わっているのだ。先の大戦に関して私たち戦後生まれが受けた教育は如何に日本が愚かであったかを刷り込ませるようなものであった。)戦後70年以上経過し、恐らく多くの日本人がもはや無意識のうちに当たり前のように持っていたこの劣等感に対して、一方で疑問をなげかける人間もいる。恐らくこの作品の監督紀里谷和明氏もそういう人間なのではないだろうか。「本当に日本人って劣っているのか?そんなはずないだろう」という意識。これは日本人だって世界で当たり前のようにやっていけるんだという自信、そしてセンスを持ち合わせた人間が作ったものだ。考えてみれば、海外の人間には「日本人は劣っている」という感覚はそこまで無い筈で、このような作品を前にして「日本人のくせにやるな」とはならない筈である(まあゼロではないかもしれないが)。つまり壁を作っているのは他ならぬ我々日本人自身なのだ。そしてこの映画はそういった日本人が自ら築いた見えない壁を見事に壊して、乗り越えた一作だと思う。「忠臣蔵」が下地となった本作、アクションシーンもよい。クライマックス、殆ど台詞も無く黙々と敵の城に潜入して行くシーンの見せ方も格好良い。1度目より、2度観るとさらに楽しめるだろう。そして日本人として初めて名優モーガン・フリーマンをディレクトした監督・作品として、私なんかの点数以上に意味のある作品であろう。 【rain on me】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-08-03 09:47:35)(良:1票) 2.劇場公開時は大コケ。忠臣蔵をモチーフにした作品。監督はあの紀里谷和明監督。正直DVDをレンタルするのを迷いました。迷ったけど、まとめ借りでお得なシステムの数合わせでレンタルすることに。「CASSHERN」や「GOEMON」のような奇抜なものを想像してたけど、これが正統派というか何とういうか、とにかくまともなんでビックリ!でも結果的はいい意味でビックリになったけど。前2作はどちらかというと自分の趣味を観客に押し付けている感じがしたけど、今作は押しつけではなく惹きつかせようと感じた。グイグイ引き込まれていった。ドラマティックなこともサプライズなことも特にはないけど、その分役者の演技と映像の力で惹きつけてくれるので、なんか甘美な世界を堪能できた。観て良かったと素直に思えた。 【Dream kerokero】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-19 21:07:02) 1.冒頭から落ち着いたカメラワークと美しいライティング、そしてクラシックな音楽と、過去の作品とはまったく雰囲気が違う。 これは重厚感のある作品だなと思いゆったりと観賞していると、ふつふつと水が沸騰してくるかのように底から何かが沸いてくる。 それは雪深い静的な景観と、温もりを感じさせない静謐な空間の中に揺らめく信義という名の炎。そのコントラストに醸成される緊張感なのではないかーーー。 あのCASSHERNから十年以上たった。映画批評家から辛辣な評価をされた過去作とは全く毛色の違う作品を世に出した紀里谷監督。 今作はそんな世間に向けて意地で撮った映画ではない。そんな幼稚じみた人に撮れる映画ではないのだ。十年もあれば人も状況も変化する。 自分のやりたい事を最大限に実現する為にやることはもちろん、映画に対する謙虚さがあるからこそ柔軟に作風を変えられるのだと思う。 しかし彼の作品には変わらないスピリットがある。 それは、生きることよりも大切なものがあるという信念だ。 死は敗北ではなく、敗北とは生きるために大切な何かを捨てることだと。 生きることが目的ではなく、生きて何をするのかが人生だと。 『Last Knights』はそんな美しい魂が描かれている作品だった。 【クロちゃん】さん [映画館(邦画)] 10点(2015-11-14 19:45:58)
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