みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4. 俺にとって、この映画は最上にして、正視に耐えない地獄。 かの「異端の鳥」も観てきたが、この悪夢には勝てないと思った。 まさに地獄がここにあるのだ。 ゴチャゴチャは言わない。 世界情勢とか事実と比べてではない。 実際にあった出来事を無視してこの物語を知れ。 「観る」のではなく「見る」がいい。 この世界に入り込み、主人公の目線で見ろ。 撮影カメラの視点ではなく、このキャラの目で見て、そして感じ取れ。 そして、地獄のような世界で… ただ翻弄されて、蹂躙されて生きるのだ。 死にたいと願っても叶わず、唐突に突きつけられる恐怖 …それが地獄。 地獄は、戦争が作り出すものではない。 もっと根源的に…人間が地獄を恐れるがゆえに、人は人に与えるのだ。 恐ろしき、決して終わりのない――地獄を。 【映画の奴隷】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2020-11-23 00:07:12) 3.冒頭、二人の少年がドイツ兵の銃を掘り出すところから、何とも言えない不気味な雰囲気が漂っています。題材や内容のショッキングさも然ることながら、全体に渡って訳のわからんアクがあって、人の心に残る強い映画だと思います。 とはいえ、ヨーロッパ映画特有のよく分からない場面や、冗長すぎる描写が多々あって、特に前半は退屈させられました。俳優もオーバーアクト気味で、素晴らしい部分以上におかしな部分が目立っていました。 後半は主人公の少年の地獄巡りとなりますが、祭りみたいな大騒ぎをしながら人を殺しまくるドイツ軍は山賊か何かにしか見えず、もはや軍隊の有り様ではありませんでした。この辺りの極端なデフォルメも、歴史映画としての魅力を低下させる原因となっています。 なお、ドイツ軍が民間人にまで手をかけざるをえなくなった理由の一端は、ソ連にありました。モスクワ政府はドイツ軍の後方攪乱のためにベラルーシで赤軍パルチザンを結成しましたが、こうしたゲリラ作戦をとられてしまうと、ドイツ軍は正規軍以外の民間人も敵と疑わざるをえなくなります。本当に自国民が大事であればゲリラ作戦はとらないのですが、ソ連は民間人を戦争に巻き込んでしまう作戦を選択したわけです。さらに、ドイツ軍の現地調達手段を断つために焦土作戦もやっており、人命軽視はソ連側の方が酷かったくらいです。 また、本作が制作されたのは1985年ですが、その後にソ連が崩壊し、第二次世界大戦の東部戦線では、ソ連軍もかなり酷い虐殺をやっていたことが判明しています。東部戦線は共産主義vsファシズムの戦場であり、共産主義を嫌ってドイツに味方する人々も少なからずいました。特にウクライナは国を挙げて反共の姿勢を示しましたが、ドイツ敗走後、ソ連はそうした人々を許しませんでした。まさに、本作でドイツ軍がやったとされるような蛮行をソ連軍は行い、略奪や強姦はかなり酷かったと言われます。 映画ではドイツ軍のみが悪とされていますが、それを額面通りに受け取ったのでは戦争の恐ろしさの一部分しか理解できていないことになります。特に、東部戦線で起こったことに対しては誤った理解をすることになるため、本作は危険性の強い作品だと言えます。世界的に評価の高い作品であることは知っていますが、私としては作品のあり方に疑問があるため、低評価とさせていただきます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 4点(2015-08-15 02:23:38) 2.美しい音楽とおぞましい効果音、そして激しい爆撃音が同時に流される。それらの音をバックに終始リアルな戦争の悲劇が描かれる。悲劇という言葉で片付けるにはあまりにすさましく、あまりに恐ろしい事実。悲しんでる余裕すら与えない人間の非情を描く。人間はここまで残酷になれるものなのかと目を背けたくなる。血が飛び交うなどのスプラッター系の直接的な描写はありません。ただ自分と同じ人間が実際に行ったという事実に目を背けたくなるのです。ヒトラーでさえも同じ人間なのだということを表すラストシーンで戦争の本質に迫る。非常に完成度の高い作品です。 【R&A】さん 8点(2004-12-02 10:27:47)(良:1票) 1.強烈な映画。世界中に戦争の種をまき、近隣国を弾圧し、あるいは自国民を無慈悲に粛正した大国でさえ、忘れられない「戦争の傷」を負っている。戦争には真の勝者はいない、ということが分かるのではないでしょうか。少年がまるで老人のような顔になっているラストの場面が網膜に焼き付きます。たくさんの人が死に、うずまく憎しみをスクリーンに叩き付けるような映画です。気分が楽しくなることはありません。でも、良い映画だと思います。 【しまうま】さん 9点(2004-03-31 22:11:36)
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