みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.《ネタバレ》 ほぼ自主製作である。製作から撮影、編集までこなした上で飢餓状態の主人公の役作りは尋常ではあるまい。 ロケによるジャングル撮影はみるからに過酷そうで、画面からは作り手の気迫と執念がありありと解る。 ハンディカメラによる荒々しい画面の揺れ。熱帯の太陽に焼かれ、乾ききった肌と顔貌の鬼気迫る凄み。 人体の損傷への拘りにあるのは誠実さだ。 モノクロの市川版からデジタル・カラーの塚本版へ。 炎のオレンジ、口角にこびりついた血の赤はより鮮烈であり、深い緑と空の青は対照的に美しい。 岩山だったクライマックスのロケーションはより原作のイメージに近い泉となり、「狂人日記」の章にあたる戦後のトラウマ描写も映像化されたが、 この後遺症のシークエンスが、現代ではより大きな意味を持つだろう。 書斎で「儀式」にふける主人公の後ろ姿が、凄惨な戦場シーン以上の恐ろしさでもって迫る。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-02-21 23:49:19) 3.《ネタバレ》 塚本晋也監督の資質が非常に素晴らしい形で発揮された奇跡とも言える傑作だったと思います。塚本晋也監督はこれまで主人公が異常な世界に紛れ込んでしまい、その不条理な状況を彷徨っている内に、どんどん異質なものに変貌していくというホラー作品が多いですが、このフォーマットをレイテ島で彷徨い続ける第二次大戦末期の日本兵に当て嵌めたそのセンスがまず素晴らしいです。 ゲリラと仲間内の裏切り等によって疲弊していき、最終的に人肉を求めてしまう様な人間に変貌していってしまう、その戦争の恐ろしさ。何より恐ろしいのが、これは映画でありますが、実際のレイテ島で起きていた事実とは全く同じであるということです。レイテ島の戦闘に参加した日本兵の多くが戦闘ではなく、餓死で死んだというのは有名な話、しかしその事実を映像で見せられると「戦場で死んでもこんな目に会いたくない」という気持ちになりました。 大抵の人がそうであると思いますが、子どもの頃に観たショッキングな映画というのは、脳裏にこびり付いて消えないことがあります。戦争映画なら私は子どもの頃に観た『プライベート・ライアン』の戦闘シーンは未だにトラウマとして記憶に強く残っています。逆に大人になると、どんなに感動的だったり、ショッキングな映画を観ても、いつの間にやら記憶から薄れてしまうものですが、本作は現在鑑賞から日数が経っても未だに消えてくれません。そのくらいのパワーを持つトラウマ映画になりました。特に映像として消えてくれないのが、日本兵たちが夜のうちに行軍をするも、敵兵から集中的に射撃されてハチの巣にされる場面で、一人の兵隊の脳味噌が零れ落ちて、その脳味噌を逃げようとする兵隊が踏みつけるというシーンです。これ程、人間の尊厳とか色々がゴミの様に扱われるシーンを私は知らない。しかし当時は普通に起こっていたことでしょう。戦争の恐ろしさ、人間を人間とも思わない行為の恐ろしさを伝える作品としては、生涯ナンバー1の作品でした。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 9点(2015-09-17 07:25:59) 2.《ネタバレ》 邦画はあまり観ないのですが、作る人が作ればしっかりした映画が出来るのだなと思いました。ライトを使った戦闘シーンは、なるほど!こういう方法で予算をかけずに描くのかと感心しました。 【HARD PUSH】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-09-17 01:49:06) 1.《ネタバレ》 原作は大岡昇平。太平洋戦争下のフィリピン・レイテ島。悲惨な戦場でのリアル・サバイバルゲーム。過酷すぎてぶっ飛んだ幻覚を見る、エグくてグロすぎ。リリー・フランキー好演のうさん臭い残兵を殴り殺し、その人肉を貪る若い残兵。過酷な状況に終わりが見えず、トチ狂っていくのはよく分かる。表現がちょっとオカルトがかってるのが興ざめ。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-08-22 00:06:26)
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