みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 亡くなった武満徹が、黒澤作品の中で何が一番好きかと尋ねられ、この「白痴」だと答えたといいます。・・・・・・どうしてそうなのか、ずっと考えて見ていましたが、最後までよくわかりませんでした。・・・・・作品に一貫していると感じられたのは、絶対への渇望です。よこしまな心を一切持ってはならない、完全に純粋な生き方がある、というような、、、、、。完全に純粋な亀田を鏡として自分を見てみると、みんな汚れて不純になってしまうわけです。・・・・・武満徹はそうしたタイプの絶対性を、自分の音楽の中にも追求しようとしていた、ということなのだろうか???・・・・・・そして黒澤という人も絶対をいつも追求しようとしていたのかもしれない。・・・・・だけど、僕は、そういう絶対というのを追求する態度は嫌いだ。・・・・汚れていてけっこう、不純でけっこう、打算尽くでけっこう、人間は、みんなそんなものではないか。そんな条件で、なんとかうまく折り合っていけばいいじゃないか。神様は、もしかしたら存在するかもしれないけど、神様のことを知る能力を僕たちは持ち合わせていないのだ。・・・・・黒澤は、自分以外の神はたぶん信じていなさそうだから、こういう作品を作ってはいけない。ロシアの物語だから、北海道を舞台にするなんてあまりに安易ではないか。せりふ回しも殆どチエホフか何かの新劇の舞台みたいだし。・・・監督、作品には0点をつけてもいいですが、原節子、三船、久我美子の演技にこの点数をつけます。原節子ってけっこう上手な役者だったんだ、と思いました。・・・・最後にふと思うのだけど、武満徹は実は久我美子のファンだっただけだったりして??? 【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-09-25 16:58:18) 11.《ネタバレ》 原節子さんの物凄い存在感と演技力、白痴を演じた森雅之さんの上手さに加え、ギラギラしている三船先生に久我美子さんと、4人それぞれが役になりきっていてとても良かったです。しかも166分という長編(それでも大分カットされているが)でありながら、まとまりのあるシナリオに助けられ一気に見せる力のある作品です。黒澤監督らしくないメロドラマではありますが、白痴の主人公の純粋さゆえに振り回される恋と人間模様が痛かったです。やはり人間は、純粋なだけではない、ずる賢い部分もあってこそなのかなと思いました。でもあのラスト、何も殺さなくても、とちょっと引きました。しかも殺したお前も死んじゃうのかよと。勿論悪意は無いのに結果振り回した主人公は悪化したものの生きているなんて何とも不条理だなあとか少し嫌な気分になりました。この作品の千秋実さんは失恋王ですね、何だか親近感を覚えました。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-08-15 00:34:59)(笑:1票) 10.原作の「白痴」自体は未読。「カラマーゾフの兄弟」「罪と罰」「悪霊」その他の小品は読んだ。その前提でレヴューを書かせていただきます。まずドストエフスキー作品の雰囲気はかなり忠実に再現されていると思う。荒涼とした雪景色の中、人間の欲望と狂気が交錯する様が異常なまでの緊張感で描かれている。悪魔的なまでに幻想的なスケートのシーンがいかにも黒澤らしい。ストーリーのショートカットも原作を知らないとそれほど気にならない。しかし途中で説明を入れないと、さすがにこの長い話を描ききることはできないのであろう。キャストは皆上手い。原節子の迫力には圧倒される。那須妙子という名前が笑える。そしてクライマックスの三船敏郎はもう圧巻の一言である。目が完全にイッてしまっており、赤間の狂気を余すところ無く演じきっている。その演技だけでも作品を観る価値があると思う。単なるアクション俳優ではないという事実に初めて気付かされる。しかし本作を観て思うのは、作品よりも黒澤自身の映画に対する執念自体が、一番ドストエフスキー的ではないか、ということである。 【わいえす】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-08-16 23:52:11) 9.森雅之がすごくうまく演じてたなぁと。黒澤映画は好きだけど、これはちょっと合わないかな。 【夏目】さん 3点(2004-12-01 00:39:29) 8.原節子の顔がスゴイ! 【T橋.COM】さん 4点(2004-09-13 01:06:38) 7.原節子の顔がすごい。日本映画史上最も美人と言われた人が、 この作品では綺麗30%と怖さ70%で、変なマントを着て怪演している。 ついでに、三船の家も変なステンドグラスが張ってあって怪しすぎる。 原作はロシアの文豪ドストエフスキーだが、 映画は原作を忠実に再現するものでもないし、する必要もないと思う。 単純にこの映画は面白い。 【amicky】さん 7点(2004-09-05 23:52:07) 6.ドストエフスキーの原作を読んだ後に観ると、大笑いできる本作。 脚本、演出が無惨。後年、「乱」でも同じような失敗をしているのですが、本作は黒澤の弱点が集約された1本となってしまいました。 【DONGYAOS】さん 1点(2004-06-06 22:39:09) 5.クロサワのかくれた名作。 完全版が観たかった。昔の日本は美しかったんだな。 【Waffe】さん 9点(2004-05-09 23:55:48) 4.DVDプレーヤーを買って最初に見たのが黒澤明の<白痴>とフェリーニの<道>です. どちらも聖痴愚(知恵遅れではなく,神懸りした普通と違う人のこと)である主人公の三角関係の縺れによる殺人事件を扱った作品ですが,そのあまりの芸術性の差に愕然としてしまいました. <白痴>の原作ではスイスのバーゼル(王の町の意味)で(キリストが乗った)ロバの鳴き声と共にムイシュキン公爵にキリストの霊が乗り移り,白痴の状態から脱してロシアに戻って来た事になっています. また,ナスターシャは名の日の祝いの席上で気が狂った(キリストの愛人だったマグダラのマリアの霊が乗り移った)という設定です. ナスターシャの殺された翌朝,マグダラのマリアの霊は一時的にロゴージンの体に移り,公爵は熱にうなされたロゴージンの頭や頬を(その前にナスターシャにしてやっていたのと全く同じ様に)撫でている所を発見されます. <道>のジェルソミーナは(フェリーニの知性からして当然ですが)聖痴愚の姿でこの世に現れた天使として描かれています. 一方,黒澤明の<白痴>の 亀田(ムイシュキン公爵)は文字通りの低能(馬鹿に限って人が良いのは常識ですが)として扱われています. 亀田が「僕は,僕は」と馬鹿の様に繰り返すのを見て,連続女性殺人犯の大久保清の口癖だった「僕ちゃん,僕ちゃん」という言葉を思い出し,おぞましさにぞっとするのは私だけでしょうか? ドストエフスキーは人間の無意識の深層まで降りて行って,今まで誰も見た事の無い向こうの世界を垣間見せてくれる超天才ですが,アメリカでは (自然と感情の描写しかできない)メロドラマ作家のトルストイより一段か二段下の探偵小説(罪と罰)や裁判物(カラマーゾフの兄弟)を書く通俗小説作家としてしか評価されていません. わが国の<世界的巨匠>黒澤明も<白痴>を唯の三角関係による殺人事件を扱った作品としてしか捉えられなかった様です. やはり,ヨーロッパ人でなければドストエフスキーの<血の呪い>は理解できないという事でしょうか. 黒澤明の<白痴>で一番寂しかったのは原作で最も感動的なナスターシャの台詞がすべて無視されていた事でした: ・時間というものを信じるのよ 何もかもなくなってしまうわ! ・公爵,生まれてはじめてほんとの人間を見ました! 【777】さん 3点(2004-03-27 19:55:06) 3.本来4時間超の話しを無理矢理縮めているため繋ぎの悪さが随所に見られてしまう。主人公が白痴である必然性をあまり感じられない。優しさを売りにしながら実は単なる優柔不断な男に見えてしまう。結果論、最後に白痴というオチで良いのではないだろうか。 【亜流派 十五郎】さん 5点(2004-02-08 21:09:02) 2.《ネタバレ》 原作では死の宣告を受けた少年の話が長々と述べられるシーンがあるが、ここでは森雅之が死刑に追い込まれたがゆえに白痴になったという風に原作の言いたかった部分を上手くまとめているのではないかと思う。けど、無理やりカットされたという事実もあるように、最初のほうを文字で説明していたのはちょっとつらかった。 【ボーリック】さん 9点(2003-12-26 01:02:30) 1.思っていたよりは楽しめた。主人公の心の優しさに、周りのみんなが癒されて、それでハッピーエンドになるかと思いきや、まったくそんなことはなくってところが意外性がありなかなかよかった。 【のほほん息子】さん 7点(2003-10-31 03:51:26)
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