みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 小説、漫画、映画はそれぞれ表現できることが異なっていて、長短あるけれどどれも素晴らしいものである、ということが如実にわかる作品。 原作は、よしもとよしともとの傑作なのだが、あの間、余白、切なさは、当然のことながらよしもとよしともの漫画でなければ描けなかった。 しかしながらこの作品単体で言うとこれはもう素晴らしい。宮崎あおいの笑顔。宮崎あおいの仕草。宮崎あおいの憂いの表情。宮崎あおいの制服姿。宮崎あおいの流れる髪。宮崎あおいの指先。どれを取っても宮崎あおい好きに捧げるプロモーションビデオである。 ああ、最後のあたりが我ながら気持ち悪い。 【小塚】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-11-21 10:50:32)(笑:1票) 2.いまや「漫画の映画化」というのは、ネタ不足の映画界においてまさにブームで、秀逸な漫画は片っ端から映画化されている。最近の漫画はその作品自体が秀逸で、漫画を読んでいる段階から映画を思わせる作品が多いため、映画化が無理なく成功するパターンが増えてきているように思う。ただ、それでも、映画が原作漫画を超えるということは、ほとんどない。漫画は、それそのもので作品として“完成”しているからだ。 しかし、今作は、間違いなく原作漫画を超えている。 極限まで物語の断片を省いた短編作品である原作において描かれなかった物語を、とてもとても丁寧に補い、完成された物語を紡ぎ出している。 やはり、俳優が素晴らしい。ARATAにしても、宮崎あおいにしても、麻生久美子にしても、田口トモロヲにしても、原作ではなんだか薄くみえるキャラクター像を、生々しく美しい人間像へと昇華させている。 そして、原作の雰囲気を崩さずに、ただ自然に、確実に膨らませてみせた、脚本と演出と音楽に賞賛を送りたい。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-09-15 03:27:29) 1.《ネタバレ》 すごい映画に出会ったと思いました。主演3人は非のうちどころのない演技というほかありません。まずARATA。金髪にサングラス、さらに無表情な顔でどのように演技するのかと興味がありましたが、口ってセリフを言わずともあれだけ表現できるんですね。屈折の度合いを見事に表現していました。格好も違和感なく、目の傷も生々しかったです。リスカの跡がもう少しリアルだと良かったなと思います。次に、麻生久美子。本当に彼女は監督によって変わりますね。心優しさの中に逞しさが表現されていて、一本筋の通った美しさがあったと思います。事故後のシーンは「あれ?出すんだ」と思いました。最後に宮崎あおい。もう完璧。唸るしかありません。10代の飽きっぽさ、自信のなさ、悲劇のヒロイン願望と、センチメンタル趣味。そして最後に現れる本当の悲しみ。この単純じゃない感情の揺れを、細かく表現できていたんじゃないでしょうか。いや、もっと複雑な心象を描いていたのに、20代の僕には嗅ぎ取れなかったのかもしれない、そうまでも思います。彼女は日本のトップ女優へ着実に近づいていると思うのは僕だけではないはずです。この若く美しい10代のうちに奥田瑛二の「少女」みたいな映画に出て欲しいと切に思っています。 ストーリーとテーマソング、カメラワークも素敵だったと思います。内容を完全に把握できたかと言えば僕にも自信はありませんが、リチオの心の中を100%説明するのは本人にもできることではなく、あえて言えば原作のよしとものみぞ知るといった所でしょう。子供をさらわれかけたトモロヲの行動と、その後のベンチでの会話など、細かく笑ってしまう部分もあり、緩急をつけたストーリー進行が良かったと思います。じっくり考えて映画を噛み締めてみたい人にお薦めの映画です。 【fero】さん 9点(2004-12-24 01:41:39)
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