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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3.《ネタバレ》 マザコンの凶悪犯、息子以上の凶悪母、隙あらば寝首を掻こうとする子分、いびきで登場するヴァンプ等、ブッとんだ悪党どもが物語を彩る。捜査側はその分抑え気味の描き方。主人公コーディの性格は、母親への偏愛ぶりに加えて「高ぶった感情をコントロールしがたい人物」として秀逸なキャラ設定。頭痛持ちの描写はやや単調な印象だが。 セミ・ドキュメンタリータッチのギャング映画として、破滅型人間の生き様をスピーディにテンポよく演出。さりげない場面にも綿密な計算が行き届いた脚本だ。 一例として・・・捜査官ファロンが囚人を装って刑務所に潜入する際、事前に「妻は金髪」という設定を要望→刑務所に茶髪の写真が送られる→コーディが彼を疑って写真を封筒から取出し飾っておく→刑務所に入ったファロンが妻(に扮した偽者)の写真と気づかない→コーディが「独房で視力が落ちたな」とかまをかける→ファロン写真に気付き咄嗟に「金髪を茶色に染めやがって」と罠をかわす→コーディ「小細工はきかないな」・・・両者の駆け引きが面白い。 他にも予防接種の緊迫感、読唇術の活用、ファロンと妻役との面会時の会話、当時のハイテクを駆使した捜査、ラストの化学工場の炎上など、ヤマ場をいくつも用意して飽きさせない。 J・キャグニーは“世界一になってやる”直情的なギャングを名演。後に「夜空の大空港」(傑作!)でクセのある犯人を演じるE・オブライエンが、本作では細心かつ大胆な潜入捜査官を見事に演じた。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-12 13:35:00) 2.冒頭の列車強盗、犯人を追う警察の追跡劇。次から次へと畳みかけるような展開と、衝撃のラストに、圧倒されます。古い映画は地味でツマラン、という偏見を吹き飛ばすには、格好の作品です。 とは言え、ひたすら煽るような描写ばかりが続く訳ではなく、例えば潜入捜査官にまつわる描写などは、比較的、抑制されていて、サラリと流してます。いまどきの映画なら、彼の焦りや戸惑いの表情を随所に織り込んで、もっと暑苦しい作品にしちゃうところかも知れませんが。その代わり、キャグニー演じるギャングの親分の描写はもう、容赦がない。脱獄した彼が、裏切った部下のもとにやってくる場面の、怖いこと。 何を仕出かすかわからんヒトってのは、怖いもんです。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-09 22:38:06) 1.極悪非道。徹底してます。母親が牛耳ってるという構図は30年代に実際にいたバーカー一家(ロジャー・コーマン『血まみれギャングママ』の元ネタ)ってのがあるんだけどこの母親への依存度の異常さの徹底が極悪非道さをリアルにしている。この異常な依存があるから潜入捜査官への強固な信頼がまたリアルとなる。サミュエル・フラー『東京暗黒街・竹の家』のその関係が変質的であったように、構築されるはずのない関係が構築されるにはそれなりの理由が必要でその影には異常さが不可欠なのだ。仲間であっても殺すことになんの躊躇も感じない非道ぶりを見せつけているので潜入捜査官とのやりとりは常にドキドキもんなのだがそこはネチネチいかず意外に淡白。そのぶん怒涛の反社会行為がテンポ良く襲い掛かる。最後の石油コンビナートはたしか鈴木清順『悪魔の街』でも使われてたけど、この映画が後の多くの映画に多大なる影響を与えたであろうことは見ればすぐわかる。インパクトが凄まじいのだ。強烈なキャラクターとしての最善の最期がとどめを刺す。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-07-16 15:18:13)
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