みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
5.飛び抜けた記憶力を持つ知的障害児とその家族や先生が、国家を揺るがす汚職事件に巻き込まれ、ヤクザやら警官やらにおっかけまわされたりどつきまわされたりする汗臭い物語。 とにかく役者陣のエネルギーが半端ない。直情型の原田さん、ブチ切れまくり極悪な塩見さん、腹黒感プンプンな蓮司さんと、全力のオヤジ達にメロメロ。そして、それに負けじと主演の肘井さんがとても魅力的です。新人とはおもえん。 ストーリーも笑いあり・涙あり・えげつなさありで、見終わった後、感動と共にグッタリできる力作。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-07-07 14:31:54) 4.《ネタバレ》 オハヨ オハヨ スズメモ チュンチュン オハヨ♪オハヨ オハヨ ボクモワタシモ ナカヨク アソビマショ♪て、なんだ?いきなりこの変な歌とコサックダンスのようなシーンから、やられた!このいかにもバカっぽい感じのするスタート!森崎東監督は社会に対する挑戦!人間とはいかにバカな生きものなのかということを伝えたいと思わせるそんなシーンからして、これぞ正に森崎東ワールド!だからと言ってこの監督の描こうとしているのは単なるバカな人間、世界を描こうとしてるのではなく、バカだろうと何だろうと人間としての在り方、生き方をストレートにそして、力強くエネルギッシュに描こうとしているように感じるし、本当にこの映画に出てくる人達はどいつもこいつもバカな奴きりです。しかし、このバカの中には生きる為のエネルギー、源とでも言うべきか?どんなバカでも人として一生懸命に生きているのだということを言おうしているように私は思う。そんなこれこそ森崎東監督らしい世界であって、またそんなバカきりの人間的な魅力、つまりは熱い人達ということ。はどこか井筒監督の「パッチギ!」に通じるし、やくざに追われ、警察にも追われてのハチャメチャな展開などはマキノ監督の作品のようで、ワッショイ!ワッショイ!と祭のシーンなんて、正にマキノ監督の世界で、また変わってる人達の変わってる人間模様なんて川島雄三監督の世界に通じる。バカだけど魅力的な人物きりと熱くこみあげてくるストーリー展開、これこそ今の日本映画に必要な要素であると私はこの映画を観て、そう感じました。いずれにせよ、こういう熱く変わった話、私は大好きだ! 【青観】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-08-05 13:40:02)(良:1票) 3.《ネタバレ》 冒頭、いきなり姿を見せる万景峰号(!)、そして子供たちが無邪気に叫ぶ「マンセー(!!)」・・・間違いない。森崎東監督は、喧嘩を売ってる。何に?硬直化した社会に、世の中に、僕や貴方や彼らに。思わず「上等!」と叫びたくなる。この作品には差別や偏見、警察とヤクザの癒着から検察の汚職から戦争の傷跡から天皇制までがはちきれんばかりにテンコ盛りで、ツッコみ好きな観客なら様々な物語上の綻びや矛盾点を見つけることはたやすいだろう。しかしそんな事はどうでも良い。登場人物たちが生き生きと笑い、怒り、泣き、或いは走る、転ぶ、怒鳴る、飯を食らう、糞をする、そして愛し合う、、そのエネルギッシュな姿自体が物語であり、メッセージであり、テーマである。森崎監督の作品が「怒喜劇」「重喜劇」と言われる訳が、やっと分かった気がする。観念的な、ポーズとしての反体制ではなく、人間の肉体という具体を伴ったいわば血肉化した反骨精神。ラスト近く、汚職を隠蔽せんとするヤクザたちに全てを壊されようとする時、後方の海から聞こえてくるのは、、そう、「ワッショイ!ワッショイ!」だっ!!生きてるうちが、花なんだぜっ!ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ! 【ぐるぐる】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-07-02 19:46:19)(良:1票) 2.《ネタバレ》 柔らかい画と雰囲気で綴るオシャレ邦画が最近増えているけれど、こういうガツンと力のこもった邦画が私は好きだ。登場人物たちはアザだらけ水浸しで拳をふるわせ、力一杯走り回っている。そしてその頭上に広がる舞鶴の空の美しいこと!太平洋戦争の残した爪痕、高級官僚の汚職にアイガモちゃんまで一緒にてんこ盛りにしたスピード感あるストーリーはとても面白く、明るいお天道様が光るラストまで、気の抜けないシーンだらけの、しかしすごく楽しい2時間弱。雨の降った後の土みたいに、気持ちのいい匂いのする映画だった。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-04 00:37:25)(良:1票) 1.本作の監督さんである森崎東の映画には、どんなに深刻な状況や主題(例えば「原発」やら「差別」など)を描く時でも、常に〈喜劇〉であろうとする“意志”というか“心意気”を感じさせる。社会の底辺や、社会からはみ出して生きざるを得ない人々が多く登場する森崎作品は、そんな人々の抱える悲惨さや「問題」ではなく、彼らの生きる熱気を、そのバイタリティこそを見つめようとする。虐げられた人間にも、おかしければ笑う自由(!)はあるし、耐え忍ぶんじゃなく思いっきり泣く、罵る、暴れまくる権利(!)がある! …それが森崎流の「人間喜劇」の真髄なのだと思う。彼の映画には、文字通りそういう人間たちのエネルギーこそがみなぎっている。 『ニワトリはハダシだ』というタイトルからも、そういった、この監督ならではの精神が息づいている。そう、ニワトリがハダシなら、人間はハダカだ! 「問題」や困難に直面すればするほど、われわれはハダカになって、つまり何一つ隠すことなく思いっきり泣いたり、怒ったり、笑ったりするんだ! …と。なるほど、確かにここでは驚異的な記憶力を持つがゆえに、偶然見つけた国家的スキャンダルにつながる裏帳簿を記憶してしまい、警察と暴力団の両方から追われる知的障害者の少年とその家族(しかも母親は「在日」二世でもある)の受難が描かれている。しかしそこには「社会派」風のメッセージやもっともらしい告発の姿勢じゃなく、少年一家が力の限り怒り、恐れ、立ち向かい、最後には朗らかに笑いあう姿ばかりがあるだろう。そこでは笑いと涙が、暴力と慰安が、憎悪と愛が、至るところで“衝突”しあうことで「ドラマ」が生まれる。その集積が、この、渾沌としていながらどこまでも清々しく、〈生〉への大いなる肯定に満ちた、美しい映画なのである。 最後に、出演者はみな素晴らしいものの、中でも新人の肘井美佳(まるで相米慎二監督の映画における薬師丸ひろ子のようだ!)と、倍賞美津子のオモニ(母親)役の李麗仙に、ぼくは深く心打たれ、魅せられたことを付け加えておきましょう。 【やましんの巻】さん 9点(2005-02-24 11:54:57)(良:2票)
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