みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
5.《ネタバレ》 ありがちなモンスターパニックといえるのは最初だけで、物語は怪物VS家族・社会風刺を含みながら怪物VS社会VS家族と進んでいくのだが、何か変。いきなりの怪物登場で犠牲者が大勢でて、娘も連れ去られるのだがなぜか笑わせる。変にコミカルなおもしろ家族を印象付ける。まあそんなおもしろ家族だからシリアスな場面をよりソリッドにしてくれるのだけど。あ、これは言い過ぎた。そのコミカルさ故に緊張感を欠き、怪物の怖さを打ち消してしまっているので。それはそうと、二世代に渡り母親不在の中、どうしても女性器にしか見えない形状の怪物が、娘を殺さず連れ去ったのは、母性的な何かあるのかと期待したのだけど、どうもそういう訳でもなかったな。母性は娘さんが見せてくれたので、怪物は知らぬ存在である母に対する畏怖の具現化とでも思えばいいのだろうか。突っ込みどころはたくさんあると思うけど、ラストで、娘への愛情だけは強かったがバカでポンコツな父親が、ここぞの意地で復讐を遂げた後に見せた哀しげな表情に、こまけーこたーいいんだよとなぜか納得させられてしまう。笑って(笑っていいのかはわからないが)泣けるエンターテイメントで、単純にハッピーエンドとしないのも好み。 【長谷川アーリオ・オーリオ】さん [インターネット(字幕)] 9点(2011-06-13 06:46:06)(良:1票) 4.《ネタバレ》 ハリウッドからのパクり系で韓式の手垢つきまくりパニック&家族愛(←日本の配給会社の、もはや笑えないセンスが特盛のコピー)映画…じゃないのか?じゃないよ!?吃驚する程の完成度の高さ。見所は、客に出す筈のイカ焼きの足を一本くすねちゃうような主人公と、その家族の駄目っぷり。ここまで駄目でも成り立ってしまった脚本は、もう誉めるしかない。冒頭の惜し気の無いパニックシーンや、社会風刺・体制批判をも盛り込みつつも衰えないエンタテイメント性の高さにも、かなり驚かされた。そして何よりも凄いなと感じたのはラストの食事シーンからエンドロールにかけての流れ。スリムでシンプルで完璧。全然好みの作品ではないが、「トレマーズ」を初めて観た衝撃をアジアンテイストに仕立てて出世させたような感じ。御馳走様。 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-04 00:21:31)(良:2票) 3.《ネタバレ》 アメリカ人には逆立ちしても作れないモンスターパニック。アクションでもホラーでも、題材を替えて同じパターンを繰り返すだけになりがちなもの。安手の使い古されたネタで、よくぞここまで斬新な物語を展開したものだと思う。 まず軍や警察ではなく、どちらかという生活レベルの低い庶民、しかも一家族を主役に据えているのが新しい。こういうのはたいてい偶然居合わせた連中がやむを得ず戦ったりするわけだけど、家族を中心に展開されるだけで否応なしに引きずり込まれてしまう。馴染みやすさが全然違うし、加えて、サスペンスで無理に盛り上げなくとも観客を惹きつけることができる。結果として豊かなドラマ性が生まれ、モンスターものなのにホラーというジャンルに収まりきれない異色作となっている。 またあの怪物の大きさがイヤだ。大きすぎず小さすぎず、ありえないんだけどありえそうな、ちょうどいいくらいのサイズ。クモザルみたいにひょいひょい移動するあの動作も巣に餌を溜め込む習性も、なんだかもっともらしくて、妙な説得力がある。 そして怪物が生まれた背景には人間の浅はかさがあるというテーマは大昔の『ゴジラ』からあるものだけど、これほど怪物よりも人間の怖さを思い知らせてくれる作品も珍しい。軍隊なんか全然頼りにならないどころか、隠蔽するために危害を加えてくる始末。ここらへんのリアリティなんかもう、気色悪いくらいである。 エンターテインメントなのにシリアスで、シリアスな割にはエンターテインメントしている。バランス感覚が絶妙というか、独特だ。すべてにおいてそうで、音楽や映像のセンスもけっしてB級ではないのに気取りすぎてもいない、ほんとうに絶妙な加減にとどめている。 この妙なリアリズムからいってもベタなハッピーエンドはありえないと思っていたので、この結末には素直に納得した(少なくとも、個人的には)。怪物に襲われても政府に踏みつけにされても結局は生き残る庶民のたくましさ、雑草魂が印象付けられる、いい結末だったと思う。米国の責任問題を報道するニュース番組を、「つまんないから」の一言で消してしまう、あの図太い神経。ああ、大丈夫なんだな、何があってもこいつらは生きていけるんだな、という安心感があった。 ハッピーエンドとも言い切れず、かといって救いがないわけでもない。ここでもやはり不思議なバランス感覚が発揮されている。 【no one】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-29 15:14:25)(良:2票) 2.なによりもまずこの作品は、「モンスターパニックもの」として高水準のエンタテインメントに仕上がっている。怪物<グエムル>を「熊やワニよりはるかに大きいが、ゴジラよりは小さい」サイズに設定した事で、迫力や恐怖感に説得力が生まれているし、国や軍隊ではなく個人に焦点を当てて等身大の物語を描いたのも正解だったと思う。つまり「普通に面白い」。■加えて、随所に見られる「ポン・ジュノ」印。例えば合同葬儀会場のシーン。一家が報道陣に囲まれ、フラッシュがたかれる中、ペ・ドゥナのジャージの背中が「ぺろん」とめくれる。孫の死を嘆き悲しみながら、父親は思わず娘のジャージを引き下げ、横暴なマスコミに怒る。「悲しみ」と「羞恥心」と「怒り」という、普通同時に並列し得ないものが並列する面白さ。■また、人物描写の豊かさ、それを通じて韓国の社会や歴史をさりげなく見せる巧さ。例えば軍政時代を経験しているであろう父親は、警官に対して媚びた笑顔を浮かべながら「袖の下」を渡そうとするし、学生による民主化運動をくぐり抜けた次男は逃げることと火炎瓶の扱いに長けている。■さらには一作目「ほえる犬は噛まない」にも見られた、話の流れをありがちな展開からずらし、観客の予想を良い意味で裏切る、ある種のユーモアも、いかにもポン・ジュノらしい。■ポン・ジュノらしいと言えば、容易に観客に感情移入させない、「抑えた」表現も個人的には好ましい。彼はいかにも「お涙頂戴」的な感情表現を使わない代わりに登場人物にひたすら「行動」させる。雨の中、或いは下水の中、彼らは己が行動を台詞で説明することなく、ただただ逃げるために走り、追うために走り、しばしば転びつつも、怪物に対して勇敢に立ち向かう。つまり「ベタ」ではないが「エモーショナル」なのだ。■ラストに関しては、賛否分かれる、というより「否」の意見が多いかもしれないが、個人的にはあれで良かったと思う。ポン・ジュノは常に「違和感」と「居心地の悪さ」を異化効果的に駆使する、確信犯的作家なのだから。 【ぐるぐる】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-09-03 18:16:49)(良:4票) 1.怪獣より米軍の方が怖くなってからが怖さ百倍。一般市民が怪獣と戦って普通に勝つのにこんなに感情移入できてしまうのにブラボー。 【SUM】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-09-03 17:11:39)
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